2023年復活節礼拝　ピリピ人への手紙3章10～14節「この目標を目ざして」

週報No.2386　2023年4月9日(日)　午前10時半
復活節礼拝　ピリピ人への手紙3章10～14節「この目標を目ざして」眞部明牧師

上の絵は、フランスの画家 James Tissot (1836–1902) が1886～1894頃に描いた「La Résurrection（復活）」（ニューヨークのBrooklyn Museum蔵、Wikimedia Commonsより）

＜礼拝メッセージ＞（一部分）

「私は、すでに得たのでもなく、すでに完全にされているのでもありません。ただ捕えようとして、追求しているのです。そして、それを得るようにとキリスト・イエスが私を捕えてくださったのです。」（ピリピ人への手紙3：12）

神は、私たちが欠点も弱点もない、過ちも犯さない完壁な人になることを望んでもいないし、勧めてもいないし、命じてもいません。それは自己義を主張する律法主義者の陥る落し穴です。「病気になることは、神のみこころではない」と言えば、あなたはもう神から外れています。もしそうなら、神に愛されていたヨブが病気になることを神が許されるはずがありません。聖徒にとって大切なことは、いかに完成された状態であるかではなくて、自分の全てを主イエスに委ねて、全く信頼して、平安でいるかです。

聖書が言っている「完全」とは、人間的な出来具合の完全ではなくて、矛盾に満ちた人生の只中にあって、神の愛によって、助け合う完全です。しかし人間は、自分の努力でこれを成し遂げようとしても、堕落した世界ではできるはずがありません。

私たちは、神との愛と信頼によって、生きるように召されているのです。そして神は、私たちを、神を証しするために、各々用いることができる場へと導かれます。

「兄弟たちよ。私は、自分はすでに捕えたなどと考えてはいません。ただ、この一事に励んでいます。すなわち、うしろのものを忘れ、ひたむきに前のものに向かって進み、キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走っているのです。」（ピリピ人への手紙3：13～14）

使徒パウロは、すばらしい、長い期間の信仰生活と宣教の働きを振り返ってみて、12節のことばを証ししています。

このパウロのことばは、私は、歩いて来た道を振り返ってみると、ようやく信仰の道を始めたばかりのような気がします。

過去になった信仰により頼むことは非常に危険です。私たちは、若い日の神の恵みにより頼むことは、非常に危倹です。私たちは、古くなった信仰と恵みで毎日の生活をしながら、信仰生活の喜びと輝きを得ようとする間違いを犯しているのです。昔、信仰が新鮮であった時は恵みの経験もすばらしかったが、古い思い出の信仰は死んでいます。かつて私にリヴァイヴァルを起こした信仰も、信仰の霊のいのちを失っているのです。

モーセの時代に、神はエジプトを出て来たイスラエルの民に、毎朝、日が昇る前に、一日一ホメルのマナ（パン菓子のようなもの）を与えると約束されました。それは太陽が出ると溶けてしまいました。その日のマナを取っておこうとすると、虫がわき、悪臭を放ったのです。

感謝と賛美のある生活ができないクリスチャンがいます。いつも、昨日までの信仰を当てにして、全てが古くなっており、高慢のにおいがしており、新鮮なキリストの香りがしていません。

パウロがピリビ3：12で「すでに得たのでもなく、すでに完全にされているのでもありません。」と言ったのは、たましいがきよめられていないと言ったのではなく、14節の「キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠」をまだ受けていないと言っているのです。11節「どうにかして、死者の中からの復活に達したいのです。」と言っているのです。

「こういうわけで、もしあなたがたが、キリスト・イエスとともによみがえらされたのなら、上にあるものを求めなさい。そこにはキリストが、神の右に座を占めておられます。あなたがたは、地上のものを思わず、天にあるものを思いなさい。あなたがたはすでに死んでおり、あなたがたのいのちは、キリストとともに神のうちに隠されてあるからです。」（コロサイ3：1～4）……
… 信仰生活も、これと似た所があります。目の前に見えてきている峰が最高峰と思って、それを目標にして登ります。その峰に到達すると、また別の峰が見えてくるのです。こうして私たちは、力から力に進むようになります。

イザヤ書35：8～10

私たちの信仰の旅は、道は険しく、困難が多いのですが、主が共に歩んで下さいますから、最後の栄冠に到達できます。

黒雲の背後に、強烈な全き光があるのを知っています。私たちは、信仰の生涯を助けて下さる、導いて下さる復活の主に、感謝をささげましょう。私たちが栄光の冠を受ける時、地上の生活で経験した苦難の出来事は、些細なことにすぎないものになります。

＜今週の活用聖句＞

ピリピ人への手紙3章14節
「キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走っているのです。」

＜集会案内＞

◇4月12日（水）聖別会（139）午前10時半
聖化の信仰（6）信仰のあかし（1）神のみことば

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