音声:信仰の列伝(38) 「主に伺ったダビデ」(サムエル記第一、23章:1~14) へブル人への手紙11章32~34節
2017年5月7日 (日) 午前10時半
礼拝メッセージ 眞部 明牧師
へブル人への手紙11章32~34節
11:32 これ以上、何を言いましょうか。もし、ギデオン、バラク、サムソン、エフタ、またダビデ、サムエル、預言者たちについても話すならば、時が足りないでしょう。
11:33 彼らは、信仰によって、国々を征服し、正しいことを行い、約束のものを得、獅子の口をふさぎ、
11:34 火の勢いを消し、剣の刃をのがれ、弱い者なのに強くされ、戦いの勇士となり、他国の陣営を陥れました。
【新改訳改訂第3版】
<インフォメーション>
こうして、今回の危機の時も、ダビデは主に問うことを忘れませんでした。
「そしてダビデは言った。『イスラエルの神、主よ。あなたのしもべは、サウルがケイラに来て、私のことで、この町を破壊しようとしていることを確かに聞きました。ケイラの者たちは私を彼の手に引き渡すでしょうか。サウルは、あなたのしもべが聞いたとおり下って来るでしょうか。イスラエルの神、主よ。どうか、あなたのしもべにお告げください。』主は仰せられた。『彼は下って来る。』ダビデは言った。『ケイラの者たちは、私と私の部下をサウルの手に引き渡すでしょうか。』主は仰せられた。『彼らは引き渡す。』」(サムエル記第一、23:10~12)
ダビデは、ケイラの人々をペリシテ人の侵略と略奪から救ったので、彼らはそれを恩義に思って、サウルがケイラを攻めて来ても、ダビデを引き渡さず、守ってくれるだろうという、勝手な計算をしなかったのです。ダビデは、人の心が、自分中心の最悪の状態にあることを自覚していたのです。
ケイラの人々は、ダビデによってペリシテの侵略から救われても、ダビデをかばえば、サウルからどんな仕打ちを受けるかも知れない、それを恐れたのです。人は、どんなに助けを受けていても、いざという時、自己中心の決断を下しやすいのです。
ダビデはペリシテに勝っても、油断しませんでした。本当に、心の性質がきよめられていない人には、ケイラの人のように、救いの恵みを忘れる人、自分中心の態度を取る人が出て来ます。これは現実の生活で出て来ます。ダビデはそのことに気づいて、ケイラの人の心の性質を、主に尋ねたのです。本当にきよめられた人を、友として下さい。
「それで、あなたは、若い時の情欲を避け、きよい心で主を呼び求める人たちとともに、義と信仰と愛と平和を追い求めなさい。」(テモテ第二2:22)
ここで、ダビデが神に祈ったことは、自分たちが勝つか、負けるかではありません。
一つは、サウルが本当にケイラまで攻めて来るかどうかです。サウルの悪意、殺意、執念の強さを確かめることです。主のお答えは、「彼は下ってくる。」でした。サウルのねたみと嫉妬の殺意は、ますますサタンに支配された、執拗なものであることが明らかになりました。
もう一つは、すでにお話しましたように、ダビデがペリシテ人の侵略から助けたケイラの人たちが、恩人のダビデをサウルの手に渡すかどうかです。ダビデが「ケイラの人は、自分たちが救ったのだから、まさか自分たちを裏切って、サウルの手に渡すことはあるまい。」と、自分の判断に頼って、とびらとかんぬきのあるケイラに留まっていると、ケイラの門が封鎖されると、ダビデたちは逃げられなくなります。
ダビデたちは、ケイラの人々の心根が明らかになってくる前に、気づかれないようにケイラを出て行ったのです。
このことを覚えておくと、人生のどこかできっと役に立つ時があるでしょう。「人は自分に危害、損害が及んでも、あくまでも、主に忠実な態度、行動を取る人は、稀だということです。ほとんどいません。ほとんどの人が自分に都合のいい行動を取ります。」
このことを弁えておくと、過度に人に信頼しなくなり、主にいちいち尋ねるようになります。サウルが来ない間は、何事もない間は、ケイラの人々はダビデに感謝し、ペリシテからの護衛隊として、いつまでもダビデたちがいてくれることを願っていたことでしょう。ダビデは、そういうもてなしに惑わされなかったのです。
<今週の活用聖句>
詩篇16章8節
「私はいつも、私の前に主を置いた。主が私の右におられるので、私はゆるぐことがない。」
上の写真は、フランスの画家James Tissot (1836–1902)による「David in the Wilderness of Ziph(ジフの荒野にいるダビデ)」(New YorkのJewish Museum蔵)
ダビデは、ケイラを出て、サウルから逃れるため荒野を転々とした後、エン・ゲディの要害に住んだ、と書かれています。(サムエル記第一、23:29) この写真は、エン・ゲディにある通称『ダビデの滝』。このあたりの崖には、あちこちに洞穴がありますが、これらのどこかにダビデが住んでいたものと思われます。
地の塩港南キリスト教会
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