音声:信仰の列伝(48) 「サムエル(1) 祈りによる誕生と成長」(サムエル記第一、1章~3章)へブル人への手紙11章32~34節
イギリスの画家Joshua Reynolds (1723–1792)による「The Infant Samuel(幼子サムエル)」(The Musée Fabre in the southern French city of Montpellier、Wikimedia Commonsより)
2017年7月16日 (日) 午前10時半
礼拝メッセージ 眞部 明 牧師
へブル人への手紙11章32~34節
11:32 これ以上、何を言いましょうか。もし、ギデオン、バラク、サムソン、エフタ、またダビデ、サムエル、預言者たちについても話すならば、時が足りないでしょう。
11:33 彼らは、信仰によって、国々を征服し、正しいことを行い、約束のものを得、獅子の口をふさぎ、
11:34 火の勢いを消し、剣の刃をのがれ、弱い者なのに強くされ、戦いの勇士となり、他国の陣営を陥れました。
【新改訳改訂第3版】
<インフォメーション>
ハンナは幼子サムエルが乳離れするまでの間に、サムエルの心に生ける主を畏(おそ)れる経験を植え付けていたのです。
「サムエルはまだ幼く、亜麻布のエポデを身にまとい、主の前に仕えていた。サムエルの母は、彼のために小さな上着を作り、毎年、夫とともに、その年のいけにえをささげに上って行くとき、その上着を持って行くのだった。」(2:18~19)
エリの二人の息子が悪行を重ねている間も、幼いサムエルは、日々に主に仕えていました。そんなサムエルを母ハンナが片時も思わない時はなかったのです。ハンナは深い祈りと愛を込めて、サムエルの大きくなるのに合わせて、彼の上着を一針一針作って、一年ごとに持って行ったのです。ハンナが幼いサムエルに、新しい上着を着せている光景が目に浮かぶではありませんか。主もまた、新しい衣を着せて下さいます。
「またあなたがたが心の霊において新しくされ、真理に基ずく義と聖をもって神にかたどり造り出された、新しい人を身に着るべきことでした。」(エペソ4:、23~24)
「少年サムエルは、主のみもとで成長した。」(2:21)サムエルは少年になっていますので、すでに数年が過ぎています。ハンナはその後、三人の息子と、二人の娘を産んでいますが、聖書はサムエルにだけ焦点を当てています。ハンナの姿もここまでですが、彼女は生涯、サムエルのために祈り続けたはずです。
「一方、少年サムエルはますます成長し、主にも、人にも愛された。」(2:26)これは体が成長しただけでなく、霊的に信仰が成長したことを示しています。それに対してエリの息子たちはますます悪に落ちています。これから先は、きよめられた者はますますきよめを求めるようになり、汚れた者はますます汚れを求めるようになります。
サムエルの少年時代の、エリの前での主に仕える期間は、3章で終わりです。この期間で一番大事なことは、主が「サムエル、サムエル」と呼ばれる御声をサムエルが聞いたことです。
「少年サムエルはエリの前で主に仕えていた。そのころ、主のことばはまれにしかなく、幻も示されなかった。」(3:1)
主はご自分のみこころを伝える、主のしもべを持っていなかったのです。そういう時に、みこころにかなう少年サムエルを見つけたのです。主は三度、サムエルを呼ばれましたが、主と交わる経験のなかったサムエルはエリが呼んだものと思ったので、夜中でしたが、飛び起きてエリのもとに行っています。エリは主がサムエルを呼んでおられることを悟って、サムエルに「主よ。お話しください。しもべは聞いております。と申し上げなさい。」と、教えました。これは、唯一、エリが教えた重要なことです。
「主よ。お話しください。しもべは聞いております。」という、神と交わる奥義、祈りの奥義を教えたことです。これが唯一、エリのすばらしい点です。この奥義は、サムエルだけでなく、祈りの奥義を捜し求めて来た、多くの聖徒たちの目を開き、神の御声を開く経験に導いたのです。
この「主よ。お話しください。しもべは聞いております。」という姿勢は、サムエルの祈りの生涯の全ての中に見られます。サムエルは特別な訓練をしたから、主の御声が聞こえるようになったのではなく、毎日、忠実に主に仕える生活をしていたから、主はサムエルを呼ばれたのです。
主は今日も、主と心を一つにする人を捜して、その名を呼ばれます。私の信仰生活の目標は、主を愛して、主と心が一つになることです。その時、主はご自身のみこころを示して下さり、私の願いも主は聞いて下さいます。
<今週の活用聖句>
サムエル記第一、3章9節
「主よ。お話しください。しもべは聞いております。」
地の塩港南キリスト教会
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