週報No.2245　希望の預言エゼキエル書（29）「女王の位についたイスラエル」　エゼキエル書 16:1～13

2020年7月26(日)　午前10時半

礼拝メッセージ　 眞部　明　牧師

エゼキエル書 16:1～13
16:1 ついで、私に次のような【主】のことばがあった。
16:2 「人の子よ。エルサレムにその忌みきらうべきわざをよく知らせて、
16:3 言え。神である主はエルサレムについてこう仰せられる。あなたの起こりと、あなたの生まれはカナン人の地である。あなたの父はエモリ人、あなたの母はヘテ人であった。
16:4 あなたの生まれは、あなたが生まれた日に、へその緒を切る者もなく、水で洗ってきよめる者もなく、塩でこする者もなく、布で包んでくれる者もいなかった。
16:5 だれもあなたを惜しまず、これらの事の一つでもあなたにしてやって、あなたにあわれみをかけようともしなかった。あなたの生まれた日に、あなたはきらわれて、野原に捨てられた。
16:6 わたしがあなたのそばを通りかかったとき、あなたが自分の血の中でもがいているのを見て、血に染まっているあなたに、『生きよ』と言い、血に染まっているあなたに、くり返して、『生きよ』と言った。
16:7 わたしはあなたを野原の新芽のように育て上げた。あなたは成長して、大きくなり、十分に円熟して、乳房はふくらみ、髪も伸びた。しかし、あなたはまる裸であった。
16:8 わたしがあなたのそばを通りかかってあなたを見ると、ちょうど、あなたの年ごろは恋をする時期になっていた。わたしは衣のすそをあなたの上に広げ、あなたの裸をおおい、わたしはあなたに誓って、あなたと契りを結んだ。──神である主の御告げ──そして、あなたはわたしのものとなった。
16:9 それでわたしはあなたを水で洗い、あなたの血を洗い落とし、あなたに油を塗った。
16:10 わたしはまた、あや織りの着物をあなたに着せ、じゅごんの皮のはきものをはかせ、亜麻布をかぶらせ、絹の着物を着せた。
16:11 それから、わたしは飾り物であなたを飾り、腕には腕輪をはめ、首には首飾りをかけ、
16:12 鼻には鼻輪、両耳には耳輪をつけ、頭には輝かしい冠をかぶせた。
16:13 こうして、あなたは金や銀で飾られ、あなたは亜麻布や絹やあや織り物を着て、上等の小麦粉や蜜や油を食べた。こうして、あなたは非常に美しくなり、栄えて、女王の位についた。
【新改訳改訂第３版】

＜礼拝メッセージ＞（一部分）

　「わたしがあなたのそばを通りかかったとき、あなたが血の中でもがいているのを見て、血に染まっているあなたに、『生きよ』と言い、血に染まっているあなたに、くり返して、『生きよ』と言った。わたしはあなたを野原の新芽のように育て上げた。あなたは成長して、大きくなり、…」（エゼキエル書16：6～7）

　6節は、出エジプト記12章のエジプトでの過ぎ越しの小羊の血を、家のかもいと門柱に塗って、その家の中に閉じこもっている時、主はその血を見て滅ぼさずに、通り越して行かれたのです。この時がイスラエルの民をご自分の民に選ばれた最初の時です。エゼキエルはこの時のことを、6節で言っているのです。

　パウロも「私たちもみな、かつては不従順の子らの中にあって、自分の肉の欲の中に生き、肉と心の望むままを行ない、ほかの人たちと同じように、生まれながら御怒りを受けるべき子らでした。しかし、あわれみ豊かな神は、私たちを愛してくださったその大きな愛のゆえに、罪過の中に死んでいたこの私たちをキリストとともに生かし、－あなたがたが救われたのは、ただ恵みによるのです。」（エペソ2：3～5）と、言っています。

　永遠の神、栄光の主が、怒りを受けるべき私の側を通りかかり、私に目を留められて、短いことばだけれど、権威に満ちて、「生きよ」と命じて下さったのです。永遠のいのちの創造者、エルシャダイでなくして、ただの一言で、滅びの運命にある者に、永遠のいのちを与えることができるお方がおられるでしょうか。罪の宣告を受けている罪人に、全能の神が「生きよ」と言われるのです。

　主イエスも、今まさに、律法によって石打ちにあって殺されようとしている姦淫の女の人にも「…私もあなたを罪に定めない。…」（ヨハネ8:11）と言われました。そして罪人は、罪赦されて、立ち上がり、主を証しするのです。主のいのちを受けたからです。

「主は言った。生きよ。」の、一言で、私の内に永遠のいのち、復活のいのち、栄光のいのちが完成されたのです。

　この「生きよ」のみことばは、主イエスを求める全ての人に、語りかけて下さいます。この「生きよ」の一言が、私の肉体の死の時、即ち朽ちる体を脱ぎ去る時、朽ちない体を着せて下さり、死は勝利にのみ込まれてしまうのです。涙の谷を歩み、死の陰の谷を歩む時も、このみことば、「生きよ」が聞こえ続けるのです。復活の日の朝も、永遠の祝福を受けるために天に上る時も、この「生きよ」というみことばの権威によっているのです。
クリスチャンはみな、主イエス・キリストの十字架の恵みによって、救われ、神の権威のみことばを受けて、生かされているのです。それ故、「あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。ですから自分のからだをもって、神の栄光を現わしなさい。」（第一コリント、6：20）

　「わたしはあなたを野原の新芽のように育て上げた。」（エゼキエル書16：7）は、ヤコブの時代、ヨセフを頼ってエジプトに移住してから、モーセの時代にエジプトを脱出するまでの四代の間に、戦いに耐えられる成人男子だけで、約六十万人に増えていたのです。このことを主は「わたしはあなたを…育て上げた。」と言われたのです。7節は、イスラエルの民は、周辺諸国の部族たちがうらやむ、成長と繁栄を成し遂げていっている姿、健康で、ふくよかな娘の姿に描いています。

　「…わたしは衣のすそをあなたの上に広げ、あなたの裸をおおい、わたしはあなたに誓って、あなたと契りを結んだ。－神である主の御告げ。－そして、あなたはわたしのものとなった。」（エゼキエル書16：8)…イスラエルの民は、荒野の生活を続けている間に、結婚適齢期の娘のように成長しているように描かれています。7、8節の「裸」の姿は、まだ正式に神との結婚状態に到達していない、神の花嫁衣裳を着ていないことを言っています。しかし、遂にシナイ山で、神の律法を受け、神と契約を結ぶことによって、神の民は神の花嫁となったのです（ホセヤ書2：19～20）。

10～14節は、神とイスラエルの民との関係が、愛と祝福の関係で語られています。神との婚姻関係に入ったイスラエルは、ダビデとソロモンの時代に、最高の繁栄に達していました。

　しかし、神の愛を自分の繁栄ではかり、受け止めることは、はなはだ危険です。13節後半「…こうして、あなたは非常に美しくなり、栄えて、女王の位についた。」ここから高慢になり、主に頼らず、異教の偶像を取り入れ、神への反逆が始まったのです。

　真実なクリスチャンにとって致命的な問題は、信仰によって与えられた祝福を、どう使うかです。聖書はそのことを警告しています。心を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神、主を愛する愛を与えられたなら、その愛を使って、あなたの隣人を愛するようにしなさいと、主は教えています。自分の内にアガペーの愛が満ちていることを楽しんでいるだけでなく、その愛を働かせて、隣人を助けるようにしなさいと、言われたのです。

＜今週の活用聖句＞

ヨハネの福音書15章10節
「もし、あなたがたがわたしの戒めを守るなら、あなたがたはわたしの愛にとどまるのです。それは、わたしが父の戒めを守って、わたしの父の愛の中にとどまっているのと同じです。」

＜集会案内＞
　　　　　　　　　
◇7月29日（水）聖別会　午前10時半
　訓練された人々(25）「クリスチャン生活の訓練(5) 克服」

地の塩港南キリスト教会
横浜市港南区上永谷5－22－2　TEL/FAX 045（844）8421

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