週報No.2248 希望の預言エゼキエル書(32)「二羽の鷲」 エゼキエル書 17:1~16
2020年8月16日(日) 午前10時半
礼拝メッセージ 眞部 明 牧師
エゼキエル書 17:1~16
17:1 次のような【主】のことばが私にあった。
17:2 「人の子よ。イスラエルの家になぞをかけ、たとえを語り、
17:3 神である主はこう仰せられると言え。大きな翼、長い羽、色とりどりの豊かな羽毛の大鷲が、レバノンに飛んで来て、杉のこずえを取り、
17:4 その若枝の先を摘み取り、それを商業の地へ運び、商人の町に置いた。
17:5 ついで、その地の種も取って来て、肥えた土地に植え、豊かな水のそばに、柳のように植えた。
17:6 それは生長し、たけは低いが、よくはびこるぶどうの木となった。その枝は鷲のほうに向き、その根は鷲の下に張り、こうして、ぶどうの木となって、枝を伸ばし、若枝を出した。
17:7 さて、もう一羽の大きな翼と豊かな羽毛を持つ大鷲がいた。見よ。このぶどうの木は、潤いを得るために、根を、その鷲のほうに向けて伸ばし、その枝を、自分が植わっている所から、その鷲のほうに伸ばした。
17:8 このぶどうの木は、枝を伸ばし、実を結び、みごとなぶどうの木となるために、水の豊かな良い地に植えつけられていた。
17:9 神である主はこう仰せられると言え。それは栄えている。しかし、主はその根を抜き取り、その実を摘み取り、芽のついた若枝をことごとく枯らしてしまわないだろうか。それは枯れる。それを根こそぎ引き抜くのに、大きな力や多くの軍勢を必要としない。
17:10 見よ。それが移し植えられたら、栄えるだろうか。東風がそれに吹きつけると、それはすっかり枯れてしまわないだろうか。その芽を出した苗床で、それは枯れてしまう。」
17:11 次のような【主】のことばが私にあった。
17:12 「さあ、反逆の家に言え。これらがどういうことなのか、あなたがたは知らないのか。言え。見よ。バビロンの王がエルサレムに来て、その王とその首長たちを捕らえ、バビロンの自分のところへ彼らを連れて行った。
17:13 そして彼は王族のひとりを選んで、その者と契約を結び、忠誠を誓わせた。バビロンの王はこの国のおもだった者たちも連れ去っていた。
17:14 それは、この王国を低くして、立ち上がれないようにし、その契約を守らせて、仕えさせるためであった。
17:15 ところが、彼はバビロンの王に反逆し、使者をエジプトに送り、馬と多くの軍勢を得ようとした。そんなことをして彼は成功するだろうか。助かるだろうか。契約を破って罰を免れるだろうか。
17:16 わたしは生きている、──神である主の御告げ──彼は、自分を王位につけた王の住む所、彼が誓いをさげすみ、契約を破ったその相手の王の住む所、バビロンで必ず死ぬ。
【新改訳改訂第3版】
<礼拝メッセージ>(一部分)
「ついで、その他の種も取って来て、肥えた土地に植え、豊かな水のそばに、柳のように植えた。」(エゼキエル書17:5)
ネブカデネザルは、エルサレムの貴族たちと上流階級の市民たちをバビロンに捕らえ移した後、「その地の種も取って来て、肥えた土地に植えた。」これは、ネブカデネザルが、ヨシヤ王の一番下の息子で、エホヤキンのおじのマタヌヤをユダの王として任命し、ゼデキヤと改名させた(Ⅱ列王記24:17)ことを言っています。
「それは成長し、たけは低いがよくはびこるぶどうの木となった。その枝は鷲のほうに向き、その根は鷲の下に張り、こうして、ぶどうの木となって、枝を伸ばし、若枝を出した。」(エゼキエル書17:6)
彼はまだ、立派な杉ではなく、卑しいぶどうの木であるが、ゼデキヤの小さな荒廃した王国は、立派に繁栄する良い機会を与えられたのです。それは、肥えた土地、豊かな水の側に植えられたからです。これは、ゼデキヤが神のみことばに従順に従って行くという、条件のもとに実現する約束です。
この時、ゼデキヤは、深い神のあわれみを感じ取るべきでした。神はユダ王国が立ち直る機会を与えて下さったのです。
「その枝は鷲のほうに向き、その根は鷲の下に張り、」これは、ゼデキヤの治世の初期には、彼はバビロンの王ネブカデネザルに従順に仕えていたから、バビロンの恩恵を受けていたのです。
これは神が、ユダに対する刑罰の道具として遣わされたバビロンに従順に従うことによって、神のみこころに従順に従っていたからです。
「さて、もう一羽の大きな翼と豊かな羽毛を持つ大鷲がいた。見よ。このぶどうの木は、潤いを得るために、根を、その鷲のほうに向けて伸ばし、その枝を、自分が植わっている所から、その鷲のほうに伸ばした。」(エゼキエル書17:7)
ところが、「もう一羽の大きな鷲」が現われました。それはエジプトの王パロ・ホフラ(紀元前589~570年)です。
紀元前594年頃、ゼデキヤは、エジプトとの同盟を考えていました。それは、パロ・ホフラがエジプトの王位に着いた時、エジプトの繁栄は絶頂の極点に達していたからです。ゼデキヤは、バビロンに仕えるより、エジプトと同盟を結ぶほうが、得策だと考えたのです。
しかし、主のみことばは、次の通りです。
「神である主はこう仰せられると言え。それは栄えている。しかし、主はその根を抜き取り、その実を摘み取り、芽のついた若枝をことごとく枯らしてしまわないだろうか。それは枯れる。それを根こそぎ引き抜くのに、大きな力や多くの軍勢を必要としない。」(エゼキエル書17:9)
「それは栄えている」ように、ゼデキヤの目には映っていました。しかし主は、バビロンを使って、エジプトの根を引き抜かれる。「その実を摘み取られる」その繁栄は奪い取られる。
そういうエジプトと同盟を結べば、芽を出したばかりのゼデキヤの国は、枯れてしまわないだろうか、と警告されたのです。
「見よ。それは移し植えられたら、栄えるだろうか。東風がそれに吹きつけると、それはすっかり枯れてしまわないだろうか。その芽を出した苗床で、それは枯れてしまう。」(エゼキエル書17:10)
「東風」は、ネブカデネザルです。
このネブカデネザルの攻撃が始まると、エジプトの繁栄も、その同盟国も、すっかり枯れてしまう。
神のみことばは、預言者を通して語られました。エジプトとのどんな同盟を結んでも、ぶどうの木のゼデキヤ王に、バビロンは怒りを下されます。エジプトも、ゼデキヤも、引き抜かれてしまい、砂漠の熱で、枯れてしまうことは確かです。
<今週の活用聖句>
イザヤ書54章10節
「『たとい山々が移り、丘が動いても、わたしの変わらぬ愛はあなたから移らず、わたしの平和の契約は動かない。』とあなたをあわれむ主は仰せられる。」
<集会案内>
◇8月19日(水)聖別会(1) 午前10時半
「信仰経験の関係と位置」
地の塩港南キリスト教会
横浜市港南区上永谷5-22-2 TEL/FAX 045(844)8421
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