週報No.2181 涙の預言エレミヤ書(88)「友の助け」エレミヤ書38:7~13

週報No.2181 涙の預言エレミヤ書(88)「友の助け」エレミヤ書38:7~13

2019年5月12日 (日) 午前10時半

礼拝メッセージ  眞部 明 牧師

エレミヤ書38章7~13節
38:7 王宮にいたクシュ人の宦官エベデ・メレクは、エレミヤが穴に入れられたこと、また王がベニヤミンの門にすわっていることを聞いた。
38:8 そこでエベデ・メレクは、王宮から出て行き、王に告げて言った。
38:9 「王さま。あの人たちが預言者エレミヤにしたことは、みな悪いことばかりです。彼らはあの方を穴に投げ込みました。もう町にパンはありませんので、あの方は、下で、飢え死にするでしょう。」
38:10 すると、王は、クシュ人エベデ・メレクに命じて言った。「あなたはここから三十人を連れて行き、預言者エレミヤを、まだ死なないうちに、その穴から引き上げなさい。」
38:11 エベデ・メレクは人々を率いて、王宮の宝物倉の下に行き、そこから着ふるした着物やぼろ切れを取り、それらを綱で穴の中のエレミヤのところに降ろした。
38:12 クシュ人エベデ・メレクはエレミヤに、「さあ、古着やぼろ切れをあなたのわきの下にはさんで、綱を当てなさい」と言ったので、エレミヤがそのとおりにすると、
38:13 彼らはエレミヤを綱で穴から引き上げた。こうして、エレミヤは監視の庭にすわっていた。
【新改訳改訂第3版】

<礼拝メッセージの要点>

「エベデ・メレクは人々を率いて、王宮の宝物倉の下に行き、そこから着古した着物やぼろ切れを取り、それらを綱で穴の中のエレミヤのところに降ろした。クシュ人エベデ・メレクはエレミヤに言った。『さあ、古着やぼろ切れをあなたのわきの下にはさんで、綱を当てなさい。』と言ったので、エレミヤがそのとおりにすると、」(エレミヤ書38:11~12)このエベデ・メレクの言葉と行為に、神の愛を感じるでしょうか。

そう言われてみれば、親切な人ならだれでもが気がついて、やりそうなことにも思えますが、彼は、衰えて、急激に綱で引き上げると死んでしまうかもしれないエレミヤに、特別な配慮をしています。

イエス様の、良いサマリヤ人のたとえ話でも、ただの助けではなく、神の愛を感じさせる救助を示しています(ルカ10:33~37)。ザアカイの救いにおいても、神の愛を示されました(ルカ19:5~9)。姦淫の女の人の救いにおいても、神なるお方の優しさを感じさせられます。「イエスは身を起して、その女に言われた。『婦人よ。あの人たちは今どこにいますか。あなたを罪に定める者はなかったのですか。』彼女は言った。『だれもいません。』そこで、イエスは言われた。『わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。今からは決して罪を犯してはなりません。』」(ヨハネ8:10~11)

イエス様のおことばとみわざには、神なるお方の優しさを感じさせられます。キリストの救いには、神にしかない、神の愛の優しさが伝わってきます。

エベデ・メレクは、生涯をささげて神のみことばを語り続けた神の預言者エレミヤを、今にも命尽きようとしている主のしもべを、穴の中からできるだけ安全に引き上げるために、心を尽くして、古着とぼろ切れを使うことを思いついたのです。

世の中が、エルサレムとユダの国が壊滅させられる大恐慌の時に、神の愛を持って、一人の弱り果てている預言者を助け出す人がいたことは、驚きです。しかも、その人がユダヤ人ではなく、クシュ人(エチオピア人)であったことは、私たちにとって重要な教訓となるでしょう。

聖霊によって心に神の愛が注がれ、神の愛を持っている人だけが、隣人を救いに導くことができるのです。隣人を愛していると言っていても、イエス様の愛の思いによらず、自分の強い願望や熱意によって、キリスト教を無理やり押し付けていることがあります。イエス様のなさり方と、自分のやり様と、比べてみてください。そうすれば、神の愛を持って、隣人を愛する意味が分かります。

「彼らは、エレミヤを綱で穴から引き上げた。こうして、エレミヤは監視の庭にすわっていた。」(エレミヤ38:13)

後に、神はエベデ・メレクに、彼の信仰の報いとして、バビロンがエルサレムを陥落させる時にも、戦死することはないと、エレミヤを通して保証されています。

「エレミヤが監視の庭に閉じ込められているとき、エレミヤに次のような主のことばがあった。『行って、クシュ人エベデ・メレクに話して言え。イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。見よ。わたしはこの町にわたしのことばを実現する。幸いのためではなく、わざわいのためだ。それらは、その日、あなたの前で起こる。

しかしその日、わたしはあなたを救い出す。-主の御告げ。- あなたはあなたが恐れている者たちの手に渡されることはない。わたしは必ずあなたを助け出す。あなたは剣に倒れず、あなたのいのちはあなたの分捕り物としてあなたのものになる。それは、あなたがわたしに信頼したからだ。-主の御告げ。-』」(エレミヤ39:15~18)

「信仰がなくては、神に喜ばれることができません。神に近づく者は、神がおられることと、神を求める者には報いてくださる方であることとを、信じなければならないのです。」(へブル11:6)

<今週の活用聖句>

マタイの福音書12章20~21節
「彼はいたんだ葦を折ることもなく、くすぶる燈心を消すこともない。公義を勝利に導くまでは。異邦人は彼の名に望みをかける。」

<集会案内>

◇5月15日(水)聖別会 午前10時半
「福音的基盤の上に(5)」

地の塩港南キリスト教会
横浜市港南区上永谷5-22-2 TEL/FAX 045(844)8421