週報No.2262 希望の預言エゼキエル書(46)「エゼキエルの極限の悲しみ」 24:1~27

2020年11月22日(日) 午前10時半

礼拝メッセージ  眞部 明 牧師

エゼキエル書 24:1~27
24:1 第九年の第十の月の十日、私に次のような【主】のことばがあった。
24:2 「人の子よ。この日、ちょうどこの日の日づけを書きしるせ。ちょうどこの日に、バビロンの王がエルサレムに攻め寄せたからだ。
24:3 あなたは、反逆の家に一つのたとえを語って言え。神である主はこう仰せられる。なべを火にかけ、これを据え、水をこれに注ぎ入れよ。
24:4 これに肉の切れ、ももと肩の良い肉の切れをみないっしょに入れ、えり抜きの骨でこれを満たせ。
24:5 えり抜きの羊を取れ。なべの下には、まきを積み、よく沸騰させて、その中の骨も煮よ。
24:6 それゆえ、神である主はこう仰せられる。ああ。流血の町、さびついているなべ。そのさびは落とせない。一切れずつそれを取り出せ。くじで引いてはならない。
24:7 彼女の血はまだ、そこにある。彼女はそれを裸岩の上に流し、地面にそれを流さず、これに土をかぶせようともしなかった。
24:8 わたしは、憤りをつのらせ、復讐するため、その血を裸岩の上に流させて、これに土をかぶせなかった。
24:9 それゆえ、神である主はこう仰せられる。ああ。流血の町。わたしもこれにたきぎを積み上げよう。
24:10 まきをふやし、火を燃え立たせ、肉をよく煮、味をつけ、骨も燃やせ。
24:11 なべをからにして炭火にかけ、その青銅を熱くして、その中の汚れを溶かし、さびがなくなるようにせよ。
24:12 しかし、その骨折りはむだだった。そのひどいさびはそれから落ちず、そのさびは、なお、火の中にあった。
24:13 あなたのみだらな汚れを見て、わたしはあなたをきよめようとしたが、あなたはきよくなろうともしなかった。それでわたしがあなたに対するわたしの憤りを静めるまで、あなたは決してきよめられない。
24:14 【主】であるわたしは言った。それは必ず起こる。わたしはそれを行って、なおざりにせず、惜しまず、思い直しもしない。あなたの行いや、わざにしたがって、あなたをさばく。──神である主の御告げ──」
24:15 次のような【主】のことばが私にあった。
24:16 「人の子よ。見よ。わたしは一打ちで、あなたの愛する者を取り去る。嘆くな。泣くな。涙を流すな。
24:17 声をたてずに悲しめ。死んだ者のために喪に服するな。頭に布を巻きつけ、足にサンダルをはけ。口ひげをおおってはならない。人々からのパンを食べてはならない。」
24:18 その朝、私は民に語ったが、夕方、私の妻が死んだ。翌朝、私は命じられたとおりにした。
24:19 すると、民は私に尋ねた。「あなたがしていることは、私たちにとってどんな意味があるのか、説明してくれませんか。」
24:20 そこで、私は彼らに答えた。「次のような【主】のことばが私にあった。
24:21 『神である主がこう仰せられるとイスラエルの家に言え。見よ。わたしは、あなたがたの力の誇りであり、あなたがたが愛し、心に慕っているわたしの聖所を、汚す。あなたがたが見捨てた息子や娘たちは剣で倒される。
24:22 あなたがたは私がするとおりすることになる。あなたがたは自分の口ひげをおおわず、人々からのパンを食べなくなる。
24:23 頭に布を巻きつけ、足にサンダルをはき、嘆いたり泣いたりしないようになる。ただ、自分たちの咎のために朽ち果て、互いに嘆き合うようになる。
24:24 エゼキエルはあなたがたのためのしるしとなり、彼がしたとおりを、あなたがたもするようになる。このとき、あなたがたは、わたしが神、主であることを知ろう。
24:25 人の子よ。わたしが、彼らの力とするもの、栄えに満ちた喜び、愛するもの、心に慕うもの、彼らの息子や娘たちを取り去る日、
24:26 その日、のがれた者が、この知らせを告げにあなたのもとにやって来る。
24:27 その日、あなたはのがれて来た者に口を開いて言え。もう黙っていてはならない。あなたが彼らのしるしとなるとき、彼らは、わたしが【主】であることを知ろう。』」【新改訳改訂第3版】

<礼拝メッセージ>(一部分)

エゼキエルの妻の死に対する悲しみは、捕囚の民がエルサレムの神殿が崩壊したことを知った時に、彼らの嘆きのしるしとなったのです。
「人の子よ。見よ。わたしは一打ちで、あなたの愛する者を取り去る。嘆くな。泣くな。涙を流すな。…」(エゼキエル書24:16~18)
この悲劇の啓示は、預言者エゼキエルが祈っている時に与えられました。

その日の朝に、彼は沸騰する肉鍋のたとえを話し、その日の夕方に妻は死んだのです。その日は、預言者エゼキエルにとって、壮絶な、人として、精神的限界を超える一日でした。悲しみの一日でした。というのは、神の都の象徴であるエルサレムを失っただけでなく、神の悲しみを表わすために、自分の愛する妻を突然取り去られてしまったからです。

しかし神は、エゼキエルに、最も悲しみに打ちひしがれている時に、悲しみを個人的に表わすことを禁じられました(エゼキエル書16節)。

喪服を着ることを禁じ、頭に普段通りターバンを巻き付け、足にサンダルをはき、口ひげをおおってはならない。人々から嘆きのパンをもらって食べてはならないと、禁じられています(エゼキエル書17節)。

預言者は、神が激しく嘆いておられることを、言葉で言い表わすだけでなく、預言者自身が悲しみ、苦しむことを通して、神のみこころを伝えたのです。

エゼキエルが、自分の妻の死に対して嘆かなかった時、人々はエゼキエルに尋ね、この求めに対して、彼は神のメッセージを語りました(エゼキエル書9~24)

ちょうど、預言者エゼキエルが自分の愛する妻を失ったように、捕囚の民は、恋慕っているエルサレムの都と主の神殿を失うのです。エルサレムの滅亡は捕囚民にとって厳しい打撃でしたが、神の神殿の崩壊は、民の心の支えを打ち砕くものでした。

普通なら大きな悲嘆の表情が表わされるはずですが、彼は神のご命令に従って、悲しみ嘆くことも、嘆きのパンを食べることもせず、模範を示したのです。捕囚民たちはいつもと同じ生活を続けなければならなかったのです。

その日、捕囚民も、エルサレムに残っている彼らの愛する者、心に慕う者、彼らの息子娘たちも取り去られます(エゼキエル書25節)。

その後、エルサレムの陥落から逃げ出して来た者が、預言が成就した知らせをもたらします(エゼキエル書26~27飾)。彼らが到着する時、預言者エゼキエルの口は開かれます(エゼキエル書26節、33章21~22節)。

預言者エゼキエルは、彼の最愛の妻の死を、静かに受け止めたかのようにあまり関心も示されていませんが、感受性の鋭いエゼキエルにとって、突然の妻の死は、神のメッセージとして、神から命じられたことであったとしても、彼を嘆きの谷底に突き落とすようなものでしょう。しかも、悲しんではならない。声をあげて泣いてはならない、と禁じられていますから、神からの特別な慰め以外に、エゼキエルのたましいを慰めることはできなかったでしょう。

私たちにも、突然襲って来る、衝撃的な苦しみや悲しみをどのように乗り越えていけばいいでしょうか。それは、神様からの慰めといやしを受けるほかにありません。

エゼキエルは、常日頃から、神を愛する愛をもって、伴侶者を愛していましたから、神の慰めを受けたのです。

エゼキエルは、主なる神様を愛して、苦難の時にも神の最善を信じて、みこころに従ったことに、霊の秘訣があるのです。

24章27節で、預言者エゼキエルの苦難と、悲しみに満ちた奉仕が終わります。

彼が召命を受けた日から、ネブカデネザルがエルサレムを包囲する日まで、彼は神の御霊の力を受けて、バビロンにいる捕囚民に、神が故国に下されようとしている審判を、示し続けました。

彼は、ユダとエルサレムの罪に対する神の審判は避けられないことを語りました。この期間は、エゼキエルは民に、希望と慰めの時代が来ることを語ってはならないと、禁じられていました。

しかし預言者エゼキエルは、極限の悲しみを乗り越えて後、彼の口は開かれました。

彼が過去に語ったユダとエルサレムのさばきの預言は、成就しつつありました。彼が語った通りのことが、次々と起きて来るのを、捕囚の民も見ていたのです。

そのうえで、彼は、回復の時代が来ることと、神の恵みに満ちた摂理による、神のご計画を預言する準備ができたのです。

<今週の活用聖句>

コリント人への手紙第二、1章4~6節
「神は、どのような苦しみのときにも、私たちを慰めてくださいます。こうして、私たちも、自分自身が神から受ける慰めによって、どのような苦しみの中にいる人をも慰めることができるのです。」

<集会案内>

◇11月25日(水)聖別会(15)午前10時半
「聖化の条件(2))霊的開眼の条件(2)」

地の塩港南キリスト教会
横浜市港南区上永谷5-22-2 TEL/FAX 045(844)8421

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