週報No.2269 希望の預言エゼキエル書(51)「エジプト衰退の預言」 29:1~21

2021年1月10日(日) 午前10時半
礼拝メッセージ  眞部 明 牧師

エゼキエル書 29:1~21
29:1 第十年の第十の月の十二日、私に次のような【主】のことばがあった。
29:2 「人の子よ。顔をエジプトの王パロに向け、彼およびエジプト全体に預言し、
29:3 こう語って言え。神である主はこう仰せられる。エジプトの王パロよ。わたしはあなたに立ち向かう。あなたは、自分の川の中に横たわる大きなわにで、『川は私のもの。私がこれを造った』と言っている。
29:4 わたしはあなたのあごに鉤をかけ、あなたの川の魚をあなたのうろこにつけ、あなたと、あなたのうろこについている川のすべての魚とを川の中から引き上げる。
29:5 あなたとあなたの川のすべての魚とを荒野に投げ捨てる。あなたは野原に倒れ、集められず、葬られることもない。わたしがあなたを地の獣と空の鳥のえじきとするとき、
29:6 エジプトの住民はみな、わたしが【主】であることを知ろう。彼らが、イスラエルの家に対して、葦の杖にすぎなかったからだ。
29:7 彼らがあなたの手をつかむと、あなたは折れ、彼らのすべての肩を砕いた。彼らがあなたに寄りかかると、あなたは折れ、彼らのすべての腰をいためた。
29:8 それゆえ、神である主はこう仰せられる。わたしは剣を送ってあなたを攻め、人も獣も、あなたのうちから断ち滅ぼす。
29:9 エジプトの地は荒れ果てて廃墟となる。このとき、彼らは、わたしが【主】であることを知ろう。それは彼が、『川は私のもの。私がこれを造った』と言ったからだ。
29:10 それゆえ、わたしは、あなたにもあなたの川にも立ち向かい、エジプトの地を、ミグドルからセベネ、さらにクシュの国境に至るまで、荒れ果てさせて廃墟にする。
29:11 人の足もそこを通らず、獣の足もそこを通らず、四十年の間だれも住まなくなる。
29:12 わたしはエジプトの地を、荒れ果てた国々の間で荒れ果てさせ、その町々も四十年の間、廃墟となった町々の間で荒れ果てる。わたしはエジプト人を諸国の民の中に散らし、国々に追い散らす。
29:13 まことに、神である主はこう仰せられる。四十年の終わりになって、わたしはエジプト人を、散らされていた国々の民の中から集め、
29:14 エジプトの繁栄を元どおりにする。彼らをその出身地パテロスの地に帰らせる。彼らはそこで、取るに足りない王国となる。
29:15 どの王国にも劣り、二度と諸国の民の上にぬきんでることはない。彼らが諸国の民を支配しないように、わたしは彼らを小さくする。
29:16 イスラエルの家は、これに助けを求めるとき、咎を思い起こして、もう、これを頼みとしなくなる。このとき、彼らは、わたしが神、主であることを知ろう。」
29:17 第二十七年の第一の月の一日、私に次のような【主】のことばがあった。
29:18 「人の子よ。バビロンの王ネブカデレザルはツロ攻撃に自分の軍隊を大いに働かせた。それで、みなの頭ははげ、みなの肩はすりむけた。それなのに、彼にも彼の軍隊にも、ツロ攻撃に働いた報いは何もなかった。
29:19 それゆえ、神である主はこう仰せられる。わたしはバビロンの王ネブカデレザルにエジプトの地を与えよう。彼はその富を取り上げ、物を分捕り、獲物をかすめ奪う。それが彼の軍隊への報いとなる。
29:20 彼が働いた報酬として、わたしは彼にエジプトの地を与える。彼らがわたしのために働いたからだ。──神である主の御告げ──
29:21 その日、わたしはイスラエルの家のために、一つの角を生えさせ、彼らの間であなたに口を開かせる。このとき彼らは、わたしが【主】であることを知ろう。」
【新改訳改訂第3版】

<礼拝メッセージ>(一部分)

 8~12節、エジプトの罪に対する刑罰は、荒廃と捕囚です。

「…わたしは剣を送ってあなたを攻め、人も獣も、あなたのうちから断ち滅ぼす。」(エゼキエル書29:8節後半)

 この剣は、バビロンのネブカデネザルと彼の軍隊です。

 この預言も成就しています。

 BC572年、ネブカデネザルはツロを陥落できずに、ツロの包囲を解いた後、エジプトに侵攻しました。エジプトは、ネブカデネザルの軍隊によって、壊滅的に敗北し、その後、四十年間、荒廃しました。この預言は、ペルシャ人がエジプトに入るまで(BC570~530年まで)、四十年間、預言通り荒廃していたのです。

 「それゆえ、わたしは、あなたにもあなたの川にも立ち向かい、エジプトの地を、ミグドルからセベネ、さらにクシュの国境に至るまで、荒れ果てさせて廃墟にする。」(エゼキエル書29:10)

 「ミグドルからセベネまで」という表現は、エジプト全土を表わす慣用句です。エジプトについては、大きな捕囚を示す歴史的記録が見られませんが、ネブカデネザルは彼の政策として、占領地の国民を捕え移すことを宣告しています。この捕囚は、罪に対する刑罰と悔い改めのために、神が定められた象徴的期間を示しています。

 13~15節は、エジプト人たちの回復を記しています。それはエレミヤの預言と同じです(エレミヤ書46:26)。

 しかしエジプトは、回復されても、王国の中で取るに足りない、むなしい王国となると言われています。

 「エジプトの捕らわれ人を帰らせる。彼らをその出身地、パテロスの地に帰らせる。彼らはそこで、取るに足りない王国となる。」(エゼキエル書29:14)

 バビロンの優勢が衰えてくると、BC525年に、エジプトはペルシャの王カンビセス(BC529~522年、クロス王の後継者)によって、侵略され、エジプトはペルシャの属領とされました。

 その後、エジプトはプトレマイオス王朝の時代に一時、勢力を取り戻します。プトレマイオス一世は、ギリシャのアレキサンドロス大王のエジプト州の総督でしたが、BC305年に、エジプトの王を名乗り、国民もプトレマイオス家の王たちを、パロと呼ぶようになったのです。

 それ故、エジプトはギリシャ化した国となり、プトレマイオス王朝は16世まで続きますが(BC305~30年)、プトレマイオス四世頃から、衰退し始めます。内部対立が続くようになり、王妃の権力が強くなり、歴代の王を立てられなくなっていったのです。

 その後、エジプトは預言の通り、世界をリードする国にはなれなかったのです。エジプトは「取るに足りない王国」になってしまい、エゼキエルの預言通り、歴史的に成就してしまったのです。

 エジプトは、神の民イスラエルに助けを送る素振りを見せましたが、バビロンに打ち破られてしまいました。

 エジプトの決定的にだめな点は、神の民を助けたいという気持ちを心のどこかに持っていても、はっきりと主なる神を信じて従う信仰に立たず、揺れ動いていたことです。

 このことは、私たちも心しておかなければなりません。

 「この世と調子を合わせてはいけません。いや、むしろ、神のみこころは何か、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変えなさい。」(ローマ12:2)

<今週の活用聖句>

コリント第一、15章58節
「ですから、私の愛する兄弟たちよ。堅く立って、動かされることなく、いつも主のわざに励みなさい。あなたがたは自分たちの労苦が、主にあってむだでないことを知っているのですから。」

<集会案内>

◇1月13日(水)聖別会(22)午前10時半
「聖潔の生活に入る(2)信仰によってささげ、信仰によって受ける」

地の塩港南キリスト教会
横浜市港南区上永谷5-22-2 TEL/FAX 045(844)8421


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