週報No.2270 希望の預言エゼキエル書(52)「エジプトに対する審判」 30:1~26

2021年1月17日(日) 午前10時半

礼拝メッセージ  眞部 明 牧師

エゼキエル書 30:1~26
30:1 次のような【主】のことばが私にあった。
30:2 「人の子よ。預言して言え。神である主はこう仰せられる。泣きわめけ。ああ、その日よ。
30:3 その日は近い。【主】の日は近い。その日は曇った日、諸国の民の終わりの時だ。
30:4 剣がエジプトに下り、刺し殺される者がエジプトで倒れ、その富は奪われ、その基がくつがえされるとき、クシュには苦痛が起きる。
30:5 クシュ、プテ、ルデ、アラビヤ全体、クブ、彼らの同盟国の人々も、彼らとともに剣に倒れる。
30:6 【主】はこう仰せられる。エジプトをささえる者は倒れ、その力強い誇りは見下げられ、ミグドルからセベネに至るまでみな剣に倒れる。──神である主の御告げ──
30:7 エジプトは荒れ果てた国々の間で荒れ果て、その町々も、廃墟となった町々の間にあって荒れ果てる。
30:8 わたしがエジプトに火をつけ、これを助ける者たちがみな滅ぼされるとき、彼らは、わたしが【主】であることを知ろう。
30:9 その日、わたしのもとから使者たちが船で送り出され、安心しているクシュ人をおののかせる。エジプトの日に、彼らの間に苦痛が起きる。今、その日が来ている。
30:10 神である主はこう仰せられる。わたしはバビロンの王ネブカデレザルによって、エジプトの富を取り除く。
30:11 彼と、彼の民、すなわち、最も横暴な異邦の民がその地を滅ぼすために遣わされる。彼らは剣を抜いてエジプトを攻め、その地を刺し殺された者で満たす。
30:12 わたしはナイル川を干上がった地とし、その国を悪人どもの手に売り、他国人の手によって、その国とそこにあるすべての物を荒れ果てさせる。【主】であるわたしがこれを語る。
30:13 神である主はこう仰せられる。わたしは偶像を打ちこわし、ノフから偽りの神々を取り除く。エジプトの国には、もう君主が立たなくなる。わたしはエジプトの地に恐怖を与える。
30:14 わたしはパテロスを荒らし、ツォアンに火をつけ、ノにさばきを下す。
30:15 わたしはエジプトのとりでシンにわたしの憤りを注ぎ、ノの群集を断ち滅ぼす。
30:16 わたしはエジプトに火をつける。シンは大いに苦しみ、ノは砕かれ、ノフは昼間、敵に襲われる。
30:17 オンとピ・ベセテの若い男たちは剣に倒れ、女たちはとりことなって行く。
30:18 わたしがエジプトのくびきを砕き、その力強い誇りが絶やされるとき、タフパヌヘスでは日は暗くなり、雲がそこをおおい、その娘たちはとりことなって行く。
30:19 わたしがエジプトにさばきを下すとき、彼らは、わたしが【主】であることを知ろう。」
30:20 第十一年の第一の月の七日、私に次のような【主】のことばがあった。
30:21 「人の子よ。わたしはエジプトの王パロの腕を砕いた。見よ。それは包まれず、手当をされず、ほうたいを当てて包まれず、元気になって剣を取ることもできない。
30:22 それゆえ、神である主はこう仰せられる。わたしはエジプトの王パロに立ち向かい、強いが砕かれている彼の腕を砕き、その手から剣を落とさせる。
30:23 わたしはエジプト人を諸国の民の中に散らし、国々に追い散らす。
30:24 しかし、わたしはバビロンの王の腕を強くし、わたしの剣を彼の手に渡し、パロの腕を砕く。彼は刺された者がうめくようにバビロンの王の前でうめく。
30:25 わたしはバビロンの王の腕を強くし、パロの腕を垂れさせる。このとき、わたしがバビロンの王の手にわたしの剣を渡し、彼がそれをエジプトの地に差し向けると、彼らは、わたしが【主】であることを知ろう。
30:26 わたしがエジプト人を諸国の民の中に散らし、彼らを国々に追い散らすとき、彼らは、わたしが【主】であることを知ろう。」
【新改訳改訂第3版】

<礼拝メッセージ>(一部分)

30:20~26、パロの敗北

この短い預言は、第十一年の第一の月の七日という日付がつけられています。これはエルサレム崩壊の寸前の時期です。

神は、預言者エゼキエルに、「エジプトの王パロを、バビロンの王ネブカデネザルの前に無力にする。」と言っておられます。

それ故、ネブカデネザルのエルサレム包囲に対して、エジプトの援軍を求めても無駄であることを告げられたのです。神のさばきに服することが最善であると、悟らされたのです。

「人の子よ。わたしはエジプトの王パロの腕を砕いた。見よ。それは包まれず、手当てをされず、ほうたいを当てて包まれず、元気になって剣を取ることもできない。」(エゼキエル書30:21)

この隠喩は、エジプトの王パロ・ホフラが、ユダの王ゼデキヤの求めに応じて、BC586年に、エルサレムのバビロン軍の包囲を解除しようとして出て来たところを、ネブカデネザルの軍隊に打ち破られてしまったことを、預言しています。

ネブカデネザルの軍隊は、エジプト軍を打つため、一時、エルサレムの包囲を解いたので、エルサレムの民は神があわれんでくださったと、誤解して喜びましたが、バビロン軍は直ぐに引き返して来て、エルサレムを陥落させたのです。

この時、パロ・ホフラの受けた損害は、彼の王国の存続の致命傷になっていったのです。

「わたしはエジプト人を諸国の民の中に散らし、国々に追い散らす。」(エゼキエル書30:23)

パロ・ホフラは、更なる災難を受けることになります。

この預言は、神がネブカデネザルを、異教の諸国を打ち滅ぼすために、ご自分のさばきの道具として用いておられることを、諸国の民に示しています。

それ故、エルサレムとユダの民が、エジプトがエルサレムとユダを救うことが出来ると考えることは、愚かです。

パロ・ホフラにとって、ユダヤ人から頼られることは、高慢な彼にとってはいい気分になっていたでしょうが、神はますます、パロ・ホフラもエジプトの軍隊も頼りにならないものであることを、思い知らされたのです。

人を助ける立場に立つとき、必ず自分の無力さを思い知らされることが起きます。それで愕然とする人は、高慢な人です。だれでも高慢な性質を持っているので、神は、どんな人でも無力であることを思い知らせるのです。

エジプト自身が、バビロンに打ち破られ、捕囚民として散らされるからです。

神ご自身が、主権の剣として、ネブカデネザルを用いられたからです。

エジプトは、歴史的にも、すぐれた文明、文化を花咲かせた国です。しかも、ナイル川の肥沃な地帯や、砂漠の天然の要塞に守られていました。

しかし、ヨセフの時代以後、エジプトは主なる神に対して、高慢になり、敵対しています。それ故、主なる神のさばきを免れなかったのです。

神の審判の前には、どの国も、どの人も、みな同じです。

しかし、今日の歴史家たちは、エジプトのピラミッドには関心を示していますが、バビロンによるエジプトの荒廃が、主なる神のみわざであることを悟っているでしょうか。

しかし私たちは、人々が運命だとか、人間のわざだとか言って諦めているところに、神の御手を見るのです。

うれしいことばかりでなく、苦しいこと、つらいこと、懲らしめの時にも、その信仰の目を失ってはいけません。

神のメッセージは、神が人間の歴史を支配しておられることを、受け入れ、悔い改めと信仰をもって、主のみことばに従い、霊とまことをもって、主のみ、礼拝することを命じているのです。

<今週の活用聖句>

箴言3章5~6節
「心を尽くして主に拠り頼め。自分の悟りにたよるな。あなたの行く所どこにおいても、主を認めよ。そうすれば、主はあなたの道をまっすぐにされる。」

<集会案内>

◇1月20日(水)聖別会(23)午前10時半
「献身(1)献身の本質」

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