週報No.2324 詩篇（25） 10篇「なぜ、身を隠されるのですか」 10:1～11
2022年1月30日(日) 午前10時半
礼拝メッセージ 眞部 明 牧師
詩篇 10:1～11
10:1 【主】よ。なぜ、あなたは遠く離れてお立ちなのですか。苦しみのときに、なぜ、身を隠されるのですか。
10:2 悪者は高ぶって、悩む人に追い迫ります。彼らが、おのれの設けたたくらみにみずから捕らえられますように。
10:3 悪者はおのれの心の欲望を誇り、貪欲な者は、【主】をのろい、また、侮る。
10:4 悪者は高慢を顔に表して、神を尋ね求めない。その思いは「神はいない」の一言に尽きる。
10:5 彼の道はいつも栄え、あなたのさばきは高くて、彼の目に、入らない。敵という敵を、彼は吹き飛ばす。
10:6 彼は心の中で言う。「私はゆるぐことがなく、代々にわたって、わざわいに会わない。」
10:7 彼の口は、のろいと欺きとしいたげに満ち、彼の舌の裏には害毒と悪意がある。
10:8 彼は村はずれの待ち伏せ場にすわり、隠れた所で、罪のない人を殺す。彼の目は不幸な人をねらっている。
10:9 彼は茂みの中の獅子のように隠れ場で待ち伏せている。彼は悩む人を捕らえようと待ち伏せる。悩む人を、その網にかけて捕らえてしまう。
10:10 不幸な人は、強い者によって砕かれ、うずくまり、倒れる。
10:11 彼は心の中で言う。「神は忘れている。顔を隠している。彼は決して見はしないのだ。」
【新改訳改訂第３版】
＜礼拝メッセージ＞（一部分）
1節「主よ、なぜ、あなたは遠く離れてお立ちなのですか。苦しみのときに、なぜ、身を隠されるのですか。」
これは、作者の苦しみの激しさを示しています。
彼は、「悪者がはびこっているのに、なぜ、神は黙っておられるのか。」と当惑して、訴えています。
「神は悩むときの、いと近き助けであられる」のにも拘わらず、苦難が私に追い迫るのを許されるのです。それは私が、暗闇の中で、感情や感覚によって神を見つけようとせず、みことばの信仰によって主が私と共におられることを知るように導くためです。
これができるようになると、私はより一層強められ、力づけられます。
悲痛な苦難の中では、神を見つめる信仰は曇りやすく、神の御声も聞こえなくなり、神は遠くに去って行かれたように感じます。
しかし神は、私の悩みの時こそ、私の悩みの訴えを聞こうとして、その苦難の内におられるのです。
私が、苦難の中に取り残されたように感じるのは、具体的な神のみことばをつかんでいないからです。
私が、マタイ8章8節の百人隊長のように、「ただ、おことばをいただかせてください。」と、神のみことばだけを信じて、頼りにすることを、神が求めておられるからです。
その時は、神のみことばを信じてください。感覚や感情で、イエス・キリストを追い求めてはいけません。主がみことばに表わされた真実さを信頼すべきです。その時、「神を信じるとは、何のことであるか。」を知るようになります。
主イエスは、私たちのために昼も夜も執り成して下さっているのです。一人、暗闇の苦難の中で、主イエスのみことばを読みましょう。主の臨在感は感じられないかもしれません。主の御声も聞こえて来ないかもしれません。しかしあの百人隊長のように、「ただ、おことばをいただかせてください。」と、求めてください。
どんな暴風雨の時でも、暗雲の上は輝いているのをあなたは知っているはずです。自分を取り囲んでいる苦難を恐れる必要はありません。
あなたは、苦難の日に主を呼び求め、みことばを握って、主に従って行くだけです。
昔、モーセが、神が通り過ぎるうしろを見たように（出エジプト記33：23）、私たちは苦難の中を、主が通り過ぎて行くのを見ることでしょう。
2節「悪者は高ぶって、悩む人に追い迫ります。彼らが、おのれの設けたたくらみにみずから捕えられますように。」
悪者とそのたくらみは、神の義が働いてそれを阻むなら、決して栄えることはないはずです。それなのに、悪者のたくらみが、悩む者に追い迫って来ています。
それは、悪者の行ないが表面に現われて来ない間は、神が悪者をさばくことをしないであろうと、推測しているからです。
しかし、作者が当惑しているのは、神の民の間に不正がはびこっていることです。それが頻繁になり、極みに達してから、長い年月が経っているのに、神は悪者を放置し、終始、無関心のままでいるように思われます。
それで、作者は当惑しているのです。
これと同じような詩篇は、22篇、35篇、37篇、38篇、73篇にも見られます。
これが、信仰者が受け入れられない一つの問題点です。
新改訳聖書では、2節の「捕えられますように」は、悪者に言われているように訳されていますが、改訂訳聖書（RV）では、“the poor”（悩む者）と訳されています。
作者は、悩む者たちが悪者が仕掛けた企みに捕えられてしまう危険を、神に訴えているようです。…
＜今週の活用聖句＞
詩篇145篇18節
「主を呼び求める者すべて、まことをもって主を呼び求める者すべてに、主は近くあられる。」
＜集会案内＞
◇2月2日（水）聖別会（77）午前10時半
口ーマ人への手紙が教える全き聖化（4）
「ローマ5章 分与された義」
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牧師 真部 明