週報No.2283　希望の預言エゼキエル書（64）「枯れた骨の幻(1)」　37:1～10

2021年4月18日(日)　午前10時半

礼拝メッセージ　 眞部　明　牧師

エゼキエル書 37:1～10
37:1 【主】の御手が私の上にあり、【主】の霊によって、私は連れ出され、谷間の真ん中に置かれた。そこには骨が満ちていた。
37:2 主は私にその上をあちらこちらと行き巡らせた。なんと、その谷間には非常に多くの骨があり、ひどく干からびていた。
37:3 主は私に仰せられた。「人の子よ。これらの骨は生き返ることができようか。」私は答えた。「神、主よ。あなたがご存じです。」
37:4 主は私に仰せられた。「これらの骨に預言して言え。干からびた骨よ。【主】のことばを聞け。
37:5 神である主はこれらの骨にこう仰せられる。見よ。わたしがおまえたちの中に息を吹き入れるので、おまえたちは生き返る。
37:6 わたしがおまえたちに筋をつけ、肉を生じさせ、皮膚でおおい、おまえたちの中に息を与え、おまえたちが生き返るとき、おまえたちはわたしが【主】であることを知ろう。」
37:7 私は、命じられたように預言した。私が預言していると、音がした。なんと、大きなとどろき。すると、骨と骨とが互いにつながった。
37:8 私が見ていると、なんと、その上に筋がつき、肉が生じ、皮膚がその上をすっかりおおった。しかし、その中に息はなかった。
37:9 そのとき、主は仰せられた。「息に預言せよ。人の子よ。預言してその息に言え。神である主はこう仰せられる。息よ。四方から吹いて来い。この殺された者たちに吹きつけて、彼らを生き返らせよ。」
37:10 私が命じられたとおりに預言すると、息が彼らの中に入った。そして彼らは生き返り、自分の足で立ち上がった。非常に多くの集団であった。
【新改訳改訂第３版】

＜礼拝メッセージ＞（一部分）

この谷間には「骨が満ちていた。」
この幻は、11節によると、「これらの骨はイスラエルの全家である。」となっています。
預言者エゼキエルは、捕囚の民を、谷間に横たわっている、非常に多くの干からびた骨とみています。誰一人、もう一度、信仰が盛んだった頃のエルサレムとユダの国に回復する可能性があるとは思えなかったのです。絶望状態でした。

「これらの骨は生き返ることができようか。」（エゼキエル37：3）は、「あなたは、これらの骨が生き返ると信じるか。」と言われているのと同じです。神は、エゼキエルに信仰の挑戦をされたのです。

これに対して、エゼキエルは「神、主よ。あなたがご存じです。」と答えました。これは、「自分の信仰は小さいけれども、自分の信じている神は偉大です。」と答えたのです。
人間には不可能であっても、神には不可能はありません。神は預言者エゼキエルに、神のみことばを命じることによって、不可能に思えることを、成し遂げさせようとしているのです。

私たちが、福音を宣べ伝えて、霊的に死んでいる人に永遠のいのちを持つ人に生き返らせるのも同じです。これは私たち人間の努力では、不可能です。神が働いて下さらないと、生き返りません。

私たちは時折、「あの、心の頑なな人が、聖徒に変えられるのだろうか。主イエスを信じて、救われるだろうか。」と思ってしまわないでしょうか。

その時、私に何が必要になっているのでしょうか。

もっと祈ってみたら、もっと説明が上手にできるように、聖書を学んでみたらいいのではないか、と迷います。しかし最も必要なのは、主イエスに全く信頼することです。「彼に信頼する者は、決して失望させられることはありません。」

「イエスは彼らをじっと見て言われた。『それは人にはできないことです。しかし、神にはどんなことでもできます。』」（マタイ19：26）

私たちは主のために何かをするほうが、主に全く信頼するより、ずっと易しいのです。そして、主に信頼するより、自分がした努力に信頼して安心しようとしやすいのです。

私は、自分にできなかったことを神がして下さった経験を持っていますか。神が私の内なる自己中心の自我を変えて下さった経験をしていますか。

もし、それが確かなら、他の人について失望してはいけません。
私が、他の人の救いを求めて証ししているなら、神の御霊の力の現われを、パウロのように堅く信じるべきです。私たちが証しするにつれて、神は、どの人の心も生まれながらの性質が神から離れていて、頑なであることを分からせられるでしょう。

実際に罪を犯していなくても、聖霊が自分の内に希薄になっていることに気づいたなら、自分自身のたましいも堕落し始めていると悟って、聖霊の満たしを更新しなければなりません。

聖霊は、私たちの生まれながらの性質が、自分中心で、神に逆らっていることを示し、悟らせるのです（ローマ7：18）。

「これらの骨に預言して言え。」（エゼキエル37：4）は、神の命令です。
預言は根本的に、たましいを生かすために、神のみことばを受け取って、神に代わって命じることです。これは知識の伝達でもなく、気分の高揚でもなく、神の御霊を注ぐことです。即ち聖霊を受けることです。それ故、神のみことばを受けることは、霊的活力の源を受けることです。

37章の「枯れた骨の谷の幻」は、預言者エゼキエルが見たユダヤ民族の霊的墓場です。ユダヤ人は偶像礼拝を止めなかったために、霊的いのちを失ってしまい、神に捨てられ、崩壊され、輝かしい歴史のある国家を失ったのです。

彼らが、神の恩寵の内に回復され、再び神の民としての国家的一体をなすことは、死者の復活にたとえられています。

この幻は、罪人からの回心にも適用されます。たましいの回復の状態は、ユダヤ人でも異邦人でも同じですが、この幻は、第一義的には、イスラエル人の霊的回復に当てはめるべきものです。

この「息」（エゼキエルJ37：5）は、神の御霊のことです。…この息は、いのちのない屍を、いのちにあふれた人格を持つ者にする、いのちの源です。筋、肉、皮膚はいのちを受け入れる器です。主は、新しいからだと新しいいのちの創造者「エルシャダイ」です。
「だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。」（コリント第二、5：17）

この預言は、新約の復活の信仰につながっています。

＜今週の活用聖句＞

創世記17章1節
「わたしは全能の神である。
あなたはわたしの前を歩み、全き者であれ。」

＜集会案内＞

◇4月21日（水）聖別会（36）午前10時半
「聖潔の転機（7）聖潔の恵みの条件」

地の塩港南キリスト教会
横浜市港南区上永谷5－22－2　TEL/FAX 045（844）8421

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