週報No.2231　希望の預言エゼキエル書（15）「主の怒りの日」　エゼキエル書 7:1～27

2020年4月19(日)　午前10時半

礼拝メッセージ　 眞部　明　牧師

エゼキエル書 7:1～27
7:1 ついで、私に次のような【主】のことばがあった。
7:2 「人の子よ。イスラエルの地について神である主はこう仰せられる。『もう終わりだ。この国の四隅にまで終わりが来た。
7:3 今、あなたに終わりが来た。わたしの怒りをあなたのうちに送り、あなたの行いにしたがって、あなたをさばき、あなたのすべての忌みきらうべきわざに報いをする。
7:4 わたしはあなたを惜しまず、あわれまない。わたしがあなたの行いに仕返しをし、あなたのうちの忌みきらうべきわざをあらわにするとき、あなたがたは、わたしが【主】であることを知ろう。』」
7:5 神である主はこう仰せられる。「わざわいが、ただわざわいが来る。
7:6 終わりが来る。その終わりが来る。あなたを起こしに、今、やって来る。
7:7 この地に住む者よ。あなたの上に終局が来る。その時が来る。その日は近い。しかし、山々での歓声の日ではなく、恐慌の日だ。
7:8 今、わたしはただちに、憤りをあなたに注ぎ、あなたへのわたしの怒りを全うする。わたしはあなたの行いにしたがって、あなたをさばき、あなたのすべての忌みきらうべきわざに報いをする。
7:9 わたしは惜しまず、あわれまない。わたしがあなたの行いに仕返しをし、あなたのうちの忌みきらうべきわざをあらわにするとき、あなたがたは、わたしがあなたがたを打っている【主】であることを知ろう。
7:10 見よ。その日だ。その日が来る。あなたの終局がやって来ている。杖が花を咲かせ、高慢がつぼみを出した。
7:11 暴虐はつのって悪の杖となり、彼らも、その群集も、彼らの富もなくなり、彼らのために嘆く者もいなくなる。
7:12 その時が来た。その日が近づいた。買う者も喜ぶな。売る者も嘆くな。燃える怒りがそのすべての群集にふりかかるから。
7:13 売る者は、生きながらえても、売った物を取り返せない。幻がそのすべての群集にあっても、群集は帰らない。だれも、自分の不義のうちにいながら、奮い立って生きることはできないからだ。
7:14 ラッパが吹き鳴らされ、みなの準備ができても、だれも戦いに行かない。わたしの燃える怒りがそのすべての群集にふりかかるからだ。
7:15 外には剣、内には疫病とききんがあり、野にいる者は剣に死に、町にいる者はききんと疫病に滅ぼし尽くされる。
7:16 それをのがれた者が逃げて、山々に行っても、彼らは谷間の鳩のようになって、みな自分の不義のために泣き悲しむ。
7:17 彼らはみな気力を失い、彼らのひざもみな震える。
7:18 彼らは荒布を身にまとい、恐怖に包まれ、彼らはみな恥じて顔を赤くし、彼らの頭はみなそられてしまう。
7:19 彼らは銀を道ばたに投げ捨て、彼らの金は汚物のようになる。銀も金も、【主】の激しい怒りの日に彼らを救い出すことはできない。それらは彼らの飢えを飽き足らせることも、彼らの腹を満たすこともできない。それらが彼らを不義に引き込んだからだ。
7:20 彼らはこれを、美しい飾り物として誇り、これで彼らの忌みきらうべきもの、忌むべきものの像を造った。それで、わたしはそれを、彼らにとって汚物とする。
7:21 わたしはそれを他国人の手に獲物として渡し、この国の悪者どもに分捕り物として渡し、それを汚させる。
7:22 わたしは彼らから顔をそむけ、わたしの聖なる所を汚させる。強盗はそこに入り込み、そこを汚そう。
7:23 鎖を作れ。この国は虐殺に満ち、この町は暴虐に満ちているからだ。
7:24 わたしは異邦の民の中で最も悪い者どもを来させて、彼らの家々を占領させ、有力者たちの高ぶりをくじき、彼らの聖所を汚させよう。
7:25 苦悩がやって来る。彼らは平和を求めるが、それはない。
7:26 災難の上に災難が来、うわさがうわさを生み、彼らは預言者に幻を求めるようになる。祭司は律法を失い、長老はさとしを失う。
7:27 王は喪に服し、君主は恐れにつつまれ、その地の民の手はわななく。わたしが彼らの行いにしたがって彼らに報い、彼らのやり方にしたがって彼らをさばくとき、彼らは、わたしが【主】であることを知ろう。」
【新改訳改訂第３版】

＜礼拝メッセージ＞（一部分）

第三は、エルサレム包囲による経済的困窮（7：19～22）

「彼らは銀を道ばたに投げ捨て、彼らの金は汚物のようになる。銀も金も、主の激しい怒りの日に彼らを救い出すことはできない。それらは彼らの飢えを飽き足らせることも、彼らの腹を満たすこともできない。それらが彼らを不義に引き込んだからだ。」（7：19）

「終わりが来る。その終わりが来る。あなたを起こしに、今、やって来る。この地に住む者よ。あなたの上に終局が来る。その時が来る。その日は近い。しかし、山々での歓声の日ではなく、恐慌の日だ。」（7：6～7）

迫って来ているエルサレム滅亡の日、それを宣告する悲痛な預言者エゼキエルの声が、海の波のようにとどまることなく、繰り返しています。

「燃える怒りがそのすべての群集に降りかかるから。」（7：12節後半）
「幻がそのすべての群集にあっても、群集は帰らない。だれも、自分の不義のうちにいながら、奮い立って生きることはできないからだ。」（7：13節後半）

災害地のマーケットの棚に、品物が何もないニュースを見たことがあるでしょう。お金は、買いたい物があって役立つのです。食料、水、燃料、エネルギーがなくなると、お金は役に立たなくなります。

バビロン軍はエルサレムを包囲して、兵糧攻めにしました。間もなく、エルサレムの民は食料がなくなり、今まで繁栄を誇っていた金銀、富は無能無価値のものとなりました。必死に祈っていた金銀で作った偶像も、何の助けにもなりません。征服者バビロンにお金を払って追い出すことは、できません。神が遣わしておられるからです。

「彼らはこれを、美しい飾り物として誇り、これで彼らの忌みきらうべきもの、忌むべきものの偶像を作った。それで、わたしはそれを、彼らにとって汚物とする。」（7：20）これは、バビロンの略奪品、戦利品として奪われるエルサレムの財宝のことです。

「わたしは彼らから顔をそむけ、わたしの聖なる所を汚れさせる。強盗はそこに入り込み、そこを汚そう。」（7：22）神は、ご自分の聖所にまで御顔を背けられ、神の貴重な財宝と神殿さえもバビロンに略奪される、その時が近づいているのです。その時、バビロン軍は強盗のように神殿に入り込み、金銀をはぎ取ると預言しています。

このメッセージは、ただに、エルサレムの滅亡の日の宣告だけでなく、この世界の最後の審判の日の事も指しています。めとり、とつぎなどして、富に執着している人間に、銀は道ばたに投げ捨てられ、金は汚物のようになり、主の激しい怒りの日に彼らを救い出すことはできないと、預言されています。

私たちは、その最後の日に、自分を救うことのできるお方をはっきりと信じて、生活していきましょう。

第四は、政治的不秩序、混乱、崩壊（7：23～27）

エゼキエルは、政治的不秩序を嘆く、悲しむ哀歌をもって、この章を閉じています。

「鎖を作れ。」（7：23）は、捕囚に率いて行くために、一人一人をつないでおく鎖のことです。エルサレムとユダの民が罪と暴虐に満ちているために、捕囚にされることは確実であると宣告しています。

国家を設立し社会を成り立たせている国王や君主は、敵を恐れて政策能力が無能になっています。預言者たちは、神のみことばを求めず、根拠のない幻を求めています。祭司も長老も律法と神のさとしを失い、政治家も宗教家も法律家も道徳家も、ことごとく打ち破られてしまいます。神が祝福された国が崩壊することは、異教の帝国が崩壊するのと同じではありません。神の祝された国の崩壊は、神が築かれた文明が崩壊し、神が王座に着いている神制国家の社会の組織体が分裂してしまいます。

最も恐ろしいことは、たましいが神から離れて、分裂し、争うようになることです。人々のたましいは、愛の創造的働きに関心を示さなくなり、むしろ怠惰に、放棄するようになります。霊的いのちの活気よりも、放縦、放任、乱雑さに傾いていきます。

これらの特徴は、エゼキエルがこの章で、主の怒りの日を描写するのに表わしたのと同じです。

神は、エルサレムとユダの民が、神に対して取った心頑なな態度、その反逆性、決して止めなかった偶像礼拝と、神の預言者のことばを拒んで、偽預言者に従ったこと、これらに従って報いられます（7：27）。これは、すべての国民に対して、語られている普遍の法則です。
今、何も起きていないからと思って、安心していてはいけません。主が語られたように、「終わり」が、必ず来るからです。

自分が蒔いた種は、刈り取らされる時が来るのです。「…自分の肉のために蒔く者は、肉から滅びを刈り取り、御霊のために蒔く者は、御霊から永遠のいのちを刈り取るのです。」（ガラテヤ6：7～8）

＜今週の活用聖句＞

ローマ人への手紙11章22節
「見てごらんなさい。神のいつくしみときびしさを。倒れた者の上にあるのは、きびしさです。あなたの上にあるのは、神のいつくしみです。ただし、あなたがそのいつくしみの中にとどまっていればであって、そうでなければ、あなたも切り落とされるのです。」

＜集会案内＞

◇4月22日（水）聖別会　午前10時半
「訓練された人々（11）訓練も死ぬ」

地の塩港南キリスト教会
横浜市港南区上永谷5－22－2　TEL/FAX 045（844）8421

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