聖書の探求(031c) 創世記37~50章の序 ヨセフの信仰の特徴
この部分はおおまかに言って、ヨセフの歴史が記されています。ここで、ヨセフの信仰に入る前に、これまでの人々の信仰の特長を整理してみましょう。
(各人の信仰の特長)
①アベル‥‥信仰による贖い‥‥贖われた人
②エノク‥‥信仰による歩み‥‥あかしの人
③ノア‥‥‥信仰による奉仕‥‥宣教の人(ペテロ第二2:5)
Ⅱペテ 2:5 また、昔の世界を赦さず、義を宣べ伝えたノアたち八人の者を保護し、不敬虔な世界に洪水を起こされました。
④アブラハム‥‥信仰の従順‥‥信仰の人
⑤イサク‥‥信仰の忍耐‥‥柔和の人
⑥ヤコブ‥‥信仰の訓練と変貌‥‥変貌の人
⑦ヨセフ‥‥信仰の苦難と勝利‥‥真実の人
ヨセフは、全き人、神の臨在を知っている人、夢みる人(幻を抱いている人)でした。
ヨセフは実に美しい主イエスの型です。
聖書中の多くの人物には、みなそれぞれ欠点が記されていますが、ヨセフにはその欠点が記されていません。ヨセフには取り立てて記すほどの欠点がなかったのかもしれません。しかしそうであったとしても、聖書中に一つの欠点も記されていないのは、完全なキリストの型を表わすためであると思われます。
次に、ヨセフの生涯の分解を示しておきましょう。
〔ヨセフの生涯の分解〕
(分解:その1)
37~39章 試練(38章はユダ)
40~41章 高揚
42~50章 創世記の結論
(分解:その2)
37章 少年時代
38章 挿入(ユダ)
39~40章 苦難
41~50章 高揚
(分解:その3)
37章 若年の生活
38~41章 エジプトにおける奴隷の苦役
42~47章 エジプトにおける支配者
48~50章 エジプトにおける家族
(分解:その4)
37~41章 ヨセフのエジプト行
42~45章 十人の兄弟のエジプト行
46~50章 ヤコブのエジプト行
(聖書箇所は【新改訳改訂第3版】を引用しました。)
上の写真は、1873年にCharles Fosterによってアメリカで出版された”The story of the Bible from Genesis to Revelation told in simple language to the young(若者のために分かり易い言葉で語られた、創世記から黙示録までの聖書物語)の挿絵「Joseph makes himself known to his brethren(ヨセフは兄弟たちに自分のことを明かす)」(University of Illinois Urbana-Champaign蔵、Wikimedia Commonsより)
(1986.10.1)