聖書の探求(031b) 創世記36章 エドムの歴史

この章にはエドムの歴史が記されています。
王たちのこと(31~39節)については既に約束されていました(17:6、35:11)し、王制のことについてはモーセも預言しています(民数記24:7、申命記17:14)ので、モーセがこのエドムの王制社会について書き記したことは明らかです。

創17:6 わたしは、あなたの子孫をおびただしくふやし、あなたを幾つかの国民とする。あなたから、王たちが出て来よう。

創 35:11 神はまた彼に仰せられた。「わたしは全能の神である。生めよ。ふえよ。一つの国民、諸国の民のつどいが、あなたから出て、王たちがあなたの腰から出る。

民 24:7 その手おけからは水があふれ、その種は豊かな水に潤う。その王はアガグよりも高くなり、その王国はあがめられる。

申 17:14 あなたの神、【主】があなたに与えようとしておられる地に入って行って、それを占領し、そこに住むようになったとき、あなたが、「回りのすべての国々と同じく、私も自分の上に王を立てたい」と言うなら、

〔36章の概要〕

①1~5節 エサウの妻たち
②6~8節 エサウの国
③9~14節 エサウの子どもたち
④15~19節 エサウの子孫の首長の名
⑤20~31節 ホリ人セイルの家系と人名
⑥31~39節 エドムの王たち
⑦40~43節 エドムの首長たち

これらについてもう少し詳しく記しますと、

(1)エサウの妻たち(1~5節)

創 36:1 これはエサウ、すなわちエドムの歴史である。
36:2 エサウはカナンの女の中から妻をめとった。すなわちヘテ人エロンの娘アダと、ヒビ人ツィブオンの子アナの娘オホリバマ。
36:3 それにイシュマエルの娘でネバヨテの妹バセマテである。
36:4 アダがエサウにエリファズを産み、バセマテはレウエルを産み、
36:5 オホリバマはエウシュ、ヤラム、コラを産んだ。これらはカナンの地で生まれたエサウの子である。

エサウの妻たちの名前は、26章と28章にも記されていますので比較してみましょう。

(26、28章のエサウの妻たち)

(イ)ヘテ人エロンの娘バセマテ(26:34)

創 26:34 エサウは四十歳になって、ヘテ人ベエリの娘エフディテとヘテ人エロンの娘バセマテとを妻にめとった。

(ロ)ヘテ人ベエリの娘エフディテ(26:34)

(ハ)イシュマエルの娘でネバヨテの妹マハラテ(28:9)

創 28:9 それでエサウはイシュマエルのところに行き、今ある妻たちのほかに、アブラハムの子イシュマエルの娘で、ネバヨテの妹マハラテを妻としてめとった。

(36章のエサウの妻たち)

(イ)ヘテ人エロンの娘アダ(36:2)

36:2 エサウはカナンの女の中から妻をめとった。すなわちヘテ人エロンの娘アダと、ヒビ人ツィブオンの子アナの娘オホリバマ。

(ロ)ヒビ人ツブィオンの子(娘)アナの娘オホリバマ(36:2)

(ハ)イシュマエルの娘でネバヨテの妹バセマテ(36:3)

36:3 それにイシュマエルの娘でネバヨテの妹バセマテである。

(イ)について、エロンの娘はアダとバセマテと異なった名が記されていますが、同一人物です。アダは「楽しみ」という意味で、バセマテは「芳しい香」という意味です。多分、結婚した時に、自分の好きな名前をつけたものと思われます。

(ロ)について、オホリバマとエフディテも同一人物で、アナは母の名前、べエリは父の名前です。エフディテは「ほまれ」という意味で、これも結婚のためにつけた名前と思われます。

(ハ)について、イシュマエルの娘も初めはマハラテという名前でしたが、結婚の時、(イ)と同じくバセマテという名前に変えたものと思われます。

(2)エサウの国(6~8節)‥‥セイルの山地

創 36:6 エサウは、その妻たち、息子、娘たち、その家のすべての者、その群れとすべての家畜、カナンの地で得た全財産を携え、弟ヤコブから離れてほかの地へ行った。
36:7 それは、ふたりが共に住むには彼らの持ち物が多すぎて、彼らが滞在していた地は、彼らの群れのために、彼らをささえることができなかったからである。
36:8 それでエサウはセイルの山地に住みついたのである。エサウとはすなわちエドムである。

エサウの所有物はヤコブよりも多く、エサウの力はヤコブよりも強く、エサウの権力はヤコブの権力よりも強かった。それ故、一緒に住むことができず、エサウはセイルの山地に住んでいた(33:14,16、36:6~8)のです。

創 33:14 あなたは、しもべよりずっと先に進んで行ってください。私は、私の前に行く家畜や子どもたちの歩みに合わせて、ゆっくり旅を続け、あなたのところ、セイルへまいります。」
33:15 それでエサウは言った。「では、私が連れている者の幾人かを、あなたに使ってもらうことにしよう。」ヤコブは言った。「どうしてそんなことまで。私はあなたのご好意に十分あずかっております。」
33:16 エサウは、その日、セイルへ帰って行った。

(3)エサウの子どもたち(9~14節)

創 36:9 これがセイルの山地にいたエドム人の先祖エサウの系図である。
36:10 エサウの子の名は次のとおり。エサウの妻アダの子エリファズ、エサウの妻バセマテの子レウエル。
36:11 エリファズの子はテマン、オマル、ツェフォ、ガタム、ケナズである。
36:12 ティムナはエサウの子エリファズのそばめで、エリファズにアマレクを産んだ。これらはエサウの妻アダの子である。
36:13 レウエルの子は次のとおり。ナハテ、ゼラフ、シャマ、ミザ。これらはエサウの妻バセマテの子であった。
36:14 ツィブオンの子アナの娘でエサウの妻オホリバマの子は次のとおり。彼女はエサウにエウシュとヤラムとコラを産んだ。

エサウの子孫で、特に注意すべき者はアダに生まれた子エリファズの子のアマレクです(12節)。アマレクは後に、イスラエル人がエジプトから出てシンの荒野を通った時に、イスラエル人を攻撃し、それ以来ずっとイスラエルの強敵となりました(出エジプト記17:8~14、民数記24:20)。

出 17:8 さて、アマレクが来て、レフィディムでイスラエルと戦った。
17:9 モーセはヨシュアに言った。「私たちのために幾人かを選び、出て行ってアマレクと戦いなさい。あす私は神の杖を手に持って、丘の頂に立ちます。」
17:10 ヨシュアはモーセが言ったとおりにして、アマレクと戦った。モーセとアロンとフルは丘の頂に登った。
17:11 モーセが手を上げているときは、イスラエルが優勢になり、手を降ろしているときは、アマレクが優勢になった。
17:12 しかし、モーセの手が重くなった。彼らは石を取り、それをモーセの足もとに置いたので、モーセはその上に腰掛けた。アロンとフルは、ひとりはこちら側、ひとりはあちら側から、モーセの手をささえた。それで彼の手は日が沈むまで、しっかりそのままであった。
17:13 ヨシュアは、アマレクとその民を剣の刃で打ち破った。
17:14 【主】はモーセに仰せられた。「このことを記録として、書き物に書きしるし、ヨシュアに読んで聞かせよ。わたしはアマレクの記憶を天の下から完全に消し去ってしまう。」

民 24:20 彼はアマレクを見渡して彼のことわざを唱えて言った。「アマレクは国々の中で首位のもの。しかしその終わりは滅びに至る。」

(4)エドムの首長(15節以後)

創 36:15 エサウの子で首長は次のとおり。エサウの長子エリファズの子では、首長テマン、首長オマル、首長ツェフォ、首長ケナズ、
36:16 首長コラ、首長ガタム、首長アマレクである。これらはエドムの地にいるエリファズから出た首長で、アダの子である。
36:17 エサウの子レウエルの子では、次のとおり。首長ナハテ、首長ゼラフ、首長シャマ、首長ミザ。これらはエドムの地でレウエルから出た首長で、エサウの妻バセマテの子である。
36:18 エサウの妻オホリバマの子では、次のとおり。首長エウシュ、首長ヤラム、首長コラである。これらはエサウの妻で、アナの娘であるオホリバマから出た首長である。
36:19 これらはエサウ、すなわちエドムの子で、彼らの首長である。
36:20 この地の住民ホリ人セイルの子は次のとおり。ロタン、ショバル、ツィブオン、アナ、
36:21 ディション、エツェル、ディシャンで、これらはエドムの地にいるセイルの子ホリ人の首長である。
36:22 ロタンの子はホリ、ヘマム。ロタンの妹はティムナであった。
36:23 ショバルの子は次のとおり。アルワン、マナハテ、エバル、シェフォ、オナム。
36:24 ツィブオンの子は次のとおり。アヤ、アナ。このアナは父ツィブオンのろばを飼っていたとき荒野で温泉を発見したアナである。
36:25 アナの子は次のとおり。ディションと、アナの娘オホリバマ。
36:26 ディションの子は次のとおり。ヘムダン、エシュバン、イテラン、ケラン。
36:27 エツェルの子は次のとおり。ビルハン、ザアワン、アカン。
36:28 ディシャンの子は次のとおり。ウツ、アラン。
36:29 ホリ人の首長は次のとおり。首長ロタン、首長ショバル、首長ツィブオン、首長アナ、
36:30 首長ディション、首長エツェル、首長ディシャン。これらはホリ人の首長で、セイルの地の首長である。
36:31 イスラエル人の王が治める以前、エドムの地で治めた王たちは次のとおり。
36:32 ベオルの子ベラがエドムで治め、その町の名はディヌハバであった。
36:33 ベラが死ぬと、代わりにボツラから出たゼラフの子ヨバブが王となった。
36:34 ヨバブが死ぬと、代わりにテマン人の地から出たフシャムが王となった。
36:35 フシャムが死ぬと、代わりに、モアブの野でミデヤン人を打ち破ったベダデの子ハダデが王となった。その町の名はアビテであった。
36:36 ハダデが死ぬと、代わりにマスレカから出たサムラが王となった。
36:37 サムラが死ぬと、代わりにレホボテ・ハナハルから出たサウルが王となった。
36:38 サウルが死ぬと、代わりにアクボルの子バアル・ハナンが王となった。
36:39 アクボルの子バアル・ハナンが死ぬと、代わりにハダルが王となった。その町の名はパウであった。彼の妻の名はメヘタブエルで、メ・ザハブの娘マテレデの娘であった。
36:40 エサウから出た首長の名は、その氏族とその場所によって、その名をあげると次のとおり。首長ティムナ、首長アルワ、首長エテテ、
36:41 首長オホリバマ、首長エラ、首長ピノン、
36:42 首長ケナズ、首長テマン、首長ミブツァル、
36:43 首長マグディエル、首長イラム。これらの者は、彼らの所有地での部落ごとにあげた、エドムの首長たちである。エドム人の先祖はエサウである。

エドムはイスラエルより早く王制をとっていました(31節)。しかし、首都と王系が次々と変わっていることは、政治的に不安定であったことを示しています。

(以上、創世記36章、聖書箇所は【新改訳改訂第3版】を引用しました。)

上の写真は、イスラエルの南部にあるネゲブ地方の国境沿いの道路から見上げたヨルダン南部の高地。この東に広がる高地一帯がエドムの山地(セイルの山地)にあたる。(2013年撮影)

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