聖書の探求011a 創世記5章 アダムの系図(エノクとレメク)

五章にはアダムの系図が記されています。

その重要な意味については、四章の「セツの子孫の流れ」の中に既に記しましたので、補足的なものをここに記しておきます。

一、四章と五章の系図は似ているところがありますが、全く別の系図を記しています。

たとえば、似た名前の人々でも別人であることがはっきりしています。

エノクという人物

① 4:17~18 (カイン系)
カインの子で、イラデを生んでいます。
創 4:17 カインはその妻を知った。彼女はみごもり、エノクを産んだ。カインは町を建てていたので、自分の子の名にちなんで、その町にエノクという名をつけた。
4:18 エノクにはイラデが生まれた。イラデにはメフヤエルが生まれ、メフヤエルにはメトシャエルが生まれ、メトシャエルにはレメクが生まれた。

②5:18~24 (セツ系)
セツの子孫としてエレデから生まれています。エノクはメトシェラを生み、その敬虔さの故に天に移されました。
創 5:18 エレデは百六十二年生きて、エノクを生んだ。
5:19 エレデはエノクを生んで後、八百年生き、息子、娘たちを生んだ。
5:20 エレデの一生は九百六十二年であった。こうして彼は死んだ。
5:21 エノクは六十五年生きて、メトシェラを生んだ。
5:22 エノクはメトシェラを生んで後、三百年、神とともに歩んだ。そして、息子、娘たちを生んだ。
5:23 エノクの一生は三百六十五年であった。
5:24 エノクは神とともに歩んだ。神が彼を取られたので、彼はいなくなった。

レメクという人物

① 4:18~24(カイン系)
メトシャエルの子で、自信過剰で復讐心に燃えていたように記されています。
創4:18 エノクにはイラデが生まれた。イラデにはメフヤエルが生まれ、メフヤエルにはメトシャエルが生まれ、メトシャエルにはレメクが生まれた。
4:19 レメクはふたりの妻をめとった。ひとりの名はアダ、他のひとりの名はツィラであった。
4:20 アダはヤバルを産んだ。ヤバルは天幕に住む者、家畜を飼う者の先祖となった。
4:21 その弟の名はユバルであった。彼は立琴と笛を巧みに奏するすべての者の先祖となった。
4:22 ツィラもまた、トバル・カインを産んだ。彼は青銅と鉄のあらゆる用具の鍛冶屋であった。トバル・カインの妹は、ナアマであった。
4:23 さて、レメクはその妻たちに言った。「アダとツィラよ。私の声を聞け。レメクの妻たちよ。私の言うことに耳を傾けよ。私の受けた傷のためには、ひとりの人を、私の受けた打ち傷のためには、ひとりの若者を殺した。
4:24 カインに七倍の復讐があれば、レメクには七十七倍。」

②5:28~31(セツ系)
 メトシェラの子で、信仰深い者として記され、その子ノアの誕生によって神の約束の成就を見ています。
創5:28 レメクは百八十二年生きて、ひとりの男の子を生んだ。
5:29 彼はその子をノアと名づけて言った。「【主】がこの地をのろわれたゆえに、私たちは働き、この手で苦労しているが、この私たちに、この子は慰めを与えてくれるであろう。」
5:30 レメクはノアを生んで後、五百九十五年生き、息子、娘たちを生んだ。
5:31 レメクの一生は七百七十七年であった。こうして彼は死んだ。

二、五章の系図は、死が全人類を無限に普遍的に支配していることを示そうとしています。

エノクを外にして、すべての人について「こうして彼は死んだ」(8回)を記しています。

三、五章の記録の共通点

①長子誕生の時の年令を記している。
②長子の名前を記している。
③最初の子どもが生まれてから、何年生きたかを記している。
④死んだことの事実を記している。
⑤死んだ時の年令を記している。
⑥その他の日常生活のことは何も記していない。

この系図は、誕生と死と年令だけを記すことによって、ある重大なことを読者に伝えようとしていることは確かです。それをおひとり一人じっくりと考えていただきたいのです。

四、エノクの例外(21~24節)

エノクの生存年数が他の人より少ない(365年)こと。そのうち300年を神とともに歩んでいます。最初の子どもが生まれた時、彼は65才でしたが、その時、大きな問題があったに違いありません。この時からエノクは真面目に神とともに歩み始め、 神から離れず、神と親しく交わり、神との会話をしげくしたのです。その結果、神はエノクを死によらずに取り去られたのです。
創 5:21 エノクは六十五年生きて、メトシェラを生んだ。
5:22 エノクはメトシェラを生んで後、三百年、神とともに歩んだ。そして、息子、娘たちを生んだ。
5:23 エノクの一生は三百六十五年であった。
5:24 エノクは神とともに歩んだ。神が彼を取られたので、彼はいなくなった。

五、29節は、ノアの誕生のときのレメクのことばです。このことばの中にノアの誕生の目的が見られます。

ノアはアダムから数えて十代目の子孫です。わずか十代の間に罪は全人類を滅ぼすほど定着してしまっていたのです。
創5:29 彼はその子をノアと名づけて言った。「【主】がこの地をのろわれたゆえに、私たちは働き、この手で苦労しているが、この私たちに、この子は慰めを与えてくれるであろう。」

(五章完)