聖書の探求(032b) 創世記38章 ユダの恥辱とタマルの子ペレツ

創世記全体はエジプトに向かっています。そしてそれは贖罪の歴史の流れです。これがヤコブの生涯です。このヤコブの生涯の中にヨセフが入ってくるのです。
37~50章はヨセフを中心とした章ですが、その中にイエス・キリストの誕生の系図の説明のために38章が挿入されているのです。と言いますのは、イエス・キリストの系図の中にペレツ(パレス)(創世記38:29、マタイ1:3)が含まれているからです。

創 38:29 しかし、その子が手を引っ込めたとき、もうひとりの兄弟のほうが出て来た。それで彼女は、「あなたは何であなたのために割りこむのです」と言った。それでその名はペレツと呼ばれた。

マタ 1:3 ユダに、タマルによってパレスとザラが生まれ、パレスにエスロンが生まれ、エスロンにアラムが生まれ、

それ故に、38章がここに挿入されているのです。

〔ユダの長子の権利の喪失〕

この章はペレツのことを説明するだけではなく、もう一つのことを説明するために挿入されています。それは、ユダが不潔なことを行なったことによって、長子の権利を失った理由を説明するためです。
長子ルベンはこの権利を失い、シメオンもレビもこれを受け継ぐ権利を失っていました。その次のユダがなぜ、この長子の権利を失ったかが、この章に記されています。38章と39章を比較してみますと、ヨセフは主人の妻に激しく誘惑されていますが、罪を犯さず、そのために監獄につながれて苦難を受けるに至りました。しかしユダは自ら罪に近づき、醜い罪を犯したのです。これによって神は、ユダが受けるはずだった長子の権利をヨセフに与えられたのです。
38章ではユダの恥辱が記され、39章ではヨセフの栄光があらわされています。

〔ユダについて〕

①創世記29:35
創 29:35 彼女はまたみごもって、男の子を産み、「今度は【主】をほめたたえよう」と言った。それゆえ、その子を彼女はユダと名づけた。それから彼女は子を産まなくなった。

②創世記37:26
創 37:26 すると、ユダが兄弟たちに言った。「弟を殺し、その血を隠したとて、何の益になろう。

③創世記38章
創 38:1 そのころのことであった。ユダは兄弟たちから離れて下って行き、その名をヒラというアドラム人の近くで天幕を張った。
38:2 そこでユダは、あるカナン人で、その名をシュアという人の娘を見そめ、彼女をめとって彼女のところに入った。
・・・・・

④創世記43:3~5、8~10
創 43:3 しかしユダが父に言った。「あの方は私たちをきつく戒めて、『あなたがたの弟といっしょでなければ、私の顔を見てはならない』と告げました。
43:4 もし、あなたが弟を私たちといっしょに行かせてくださるなら、私たちは下って行って、あなたのために食糧を買って来ましょう。
43:5 しかし、もしあなたが彼を行かせないなら、私たちは下って行きません。あの方が私たちに、『あなたがたの弟といっしょでなければ、私の顔を見てはならない』と言ったからです。」

創 43:8 ユダは父イスラエルに言った。「あの子を私といっしょにやらせてください。私たちは出かけて行きます。そうすれば、あなたも私たちも、そして私たちの子どもたちも生きながらえて死なないでしょう。
43:9 私自身が彼の保証人となります。私に責任を負わせてください。万一、彼をあなたのもとに連れ戻さず、あなたの前に彼を立たせなかったら、私は一生あなたに対して罪ある者となります。
43:10 もし私たちがためらっていなかったなら、今までに二度は行って帰って来られたことでしょう。」

⑤創世記44:14~34
創 44:14 ユダと兄弟たちがヨセフの家に入って行ったとき、ヨセフはまだそこにいた。彼らはヨセフの前で顔を地に伏せた。
44:15 ヨセフは彼らに言った。「あなたがたのしたこのしわざは、何だ。私のような者はまじないをするということを知らなかったのか。」
44:16 ユダが答えた。「私たちはあなたさまに何を申せましょう。何の申し開きができましょう。また何と言って弁解することができましょう。神がしもべどもの咎をあばかれたのです。今このとおり、私たちも、そして杯を持っているのを見つかった者も、あなたさまの奴隷となりましょう。」
・・・・・

⑥創世記46:12、28
創 46:12 ユダの子はエル、オナン、シェラ、ペレツ、ゼラフ。しかしエルとオナンはカナンの地で死んだ。ペレツの子はヘツロンとハムルであった。

創 46:28 さて、ヤコブはユダを先にヨセフのところに遣わしてゴシェンへの道を示させた。それから彼らはゴシェンの地に行った。

⑦創世記49:8~12
創 49:8 ユダよ。兄弟たちはあなたをたたえ、あなたの手は敵のうなじの上にあり、あなたの父の子らはあなたを伏し拝む。
49:9 ユダは獅子の子。わが子よ。あなたは獲物によって成長する。雄獅子のように、また雌獅子のように、彼はうずくまり、身を伏せる。だれがこれを起こすことができようか。
49:10 王権はユダを離れず、統治者の杖はその足の間を離れることはない。ついにはシロが来て、国々の民は彼に従う。
49:11 彼はそのろばをぶどうの木につなぎ、その雌ろばの子を、良いぶどうの木につなぐ。彼はその着物を、ぶどう酒で洗い、その衣をぶどうの血で洗う。
49:12 その目はぶどう酒によって曇り、その歯は乳によって白い。

⑧出エジプト記1:1~6
出 1:1 さて、ヤコブといっしょに、それぞれ自分の家族を連れて、エジプトへ行ったイスラエルの子たちの名は次のとおりである。
1:2 ルベン、シメオン、レビ、ユダ。
1:3 イッサカル、ゼブルンと、ベニヤミン。
1:4 ダンとナフタリ。ガドとアシェル。
1:5 ヤコブから生まれた者の総数は七十人であった。ヨセフはすでにエジプトにいた。
1:6 そしてヨセフもその兄弟たちも、またその時代の人々もみな死んだ。

〔ユダの指導性〕

①決断力(37:26)
創 37:26 すると、ユダが兄弟たちに言った。「弟を殺し、その血を隠したとて、何の益になろう。

②説得力(37:27)
創 37:27 さあ、ヨセフをイシュマエル人に売ろう。われわれが彼に手をかけてはならない。彼はわれわれの肉親の弟だから。」兄弟たちは彼の言うことを聞き入れた。

③情況判断の的確さ(43:3~10)
創 43:3 しかしユダが父に言った。「あの方は私たちをきつく戒めて、『あなたがたの弟といっしょでなければ、私の顔を見てはならない』と告げました。
43:4 もし、あなたが弟を私たちといっしょに行かせてくださるなら、私たちは下って行って、あなたのために食糧を買って来ましょう。
43:5 しかし、もしあなたが彼を行かせないなら、私たちは下って行きません。あの方が私たちに、『あなたがたの弟といっしょでなければ、私の顔を見てはならない』と言ったからです。」
43:6 そこで、イスラエルが言った。「なぜ、あなたがたにもうひとりの弟がいるとあの方に言って、私をひどいめに会わせるのか。」
43:7 彼らは言った。「あの方が、私たちと私たちの家族のことをしつこく尋ねて、『あなたがたの父はまだ生きているのか。あなたがたに弟がいるのか』と言うので、問われるままに言ってしまったのです。あなたがたの弟を連れて来いと言われるとは、どうして私たちにわかりましょう。」
43:8 ユダは父イスラエルに言った。「あの子を私といっしょにやらせてください。私たちは出かけて行きます。そうすれば、あなたも私たちも、そして私たちの子どもたちも生きながらえて死なないでしょう。
43:9 私自身が彼の保証人となります。私に責任を負わせてください。万一、彼をあなたのもとに連れ戻さず、あなたの前に彼を立たせなかったら、私は一生あなたに対して罪ある者となります。
43:10 もし私たちがためらっていなかったなら、今までに二度は行って帰って来られたことでしょう。」

④大胆さと犠牲的精神(44:14~34)
創 44:14 ユダと兄弟たちがヨセフの家に入って行ったとき、ヨセフはまだそこにいた。彼らはヨセフの前で顔を地に伏せた。
44:15 ヨセフは彼らに言った。「あなたがたのしたこのしわざは、何だ。私のような者はまじないをするということを知らなかったのか。」
44:16 ユダが答えた。「私たちはあなたさまに何を申せましょう。何の申し開きができましょう。また何と言って弁解することができましょう。神がしもべどもの咎をあばかれたのです。今このとおり、私たちも、そして杯を持っているのを見つかった者も、あなたさまの奴隷となりましょう。」
・・・・・
44:33 ですから、どうか今、このしもべを、あの子の代わりに、あなたさまの奴隷としてとどめ、あの子を兄弟たちと帰らせてください。
44:34 あの子が私といっしょでなくて、どうして私は父のところへ帰れましょう。私の父に起こるわざわいを見たくありません。」

1.ユダとその家族 (1~10節)

(a) ユダの不信仰な結婚。(1~2節)

創 38:1 そのころのことであった。ユダは兄弟たちから離れて下って行き、その名をヒラというアドラム人の近くで天幕を張った。
38:2 そこでユダは、あるカナン人で、その名をシュアという人の娘を見そめ、彼女をめとって彼女のところに入った。

1節に、「そのころのことであった。ユダは兄弟たちから離れて」とあります。
これはユダの兄弟たちがヨセフを売った頃を示しています。おそらく彼らはヨセフを売った後、互いに争い、別れたものと思われます。人は罪を犯すと、その後で互いに争い、別れるのが常です。
ユダは兄弟たちと別れるとアドラム人の近くに天幕を張り、ヒラと親しくなりました。(1、12節)。

創 38:12 かなり日がたって、シュアの娘であったユダの妻が死んだ。その喪が明けたとき、ユダは、羊の群れの毛を切るために、その友人でアドラム人のヒラといっしょに、ティムナへ上って行った。

ユダがカナン人シュアの娘と結婚したのは恐らくヒラのすすめによったものでしょう。ユダは道徳の乱れたカナン人の娘(不信者)と結婚したことによって、悲しむべき結果を招いたのです。

(b) ユダの子どもたち(3~10節)

創 38:3 彼女はみごもり、男の子を産んだ。彼はその子をエルと名づけた。
38:4 彼女はまたみごもって、男の子を産み、その子をオナンと名づけた。
38:5 彼女はさらにまた男の子を産み、その子をシェラと名づけた。彼女がシェラを産んだとき、彼はケジブにいた。
38:6 ユダは、その長子エルにタマルという妻を迎えた。
38:7 しかしユダの長子エルは【主】を怒らせていたので、【主】は彼を殺した。
38:8 それでユダはオナンに言った。「あなたは兄嫁のところに入り、義弟としての務めを果たしなさい。そしてあなたの兄のために子孫を起こすようにしなさい。」
38:9 しかしオナンは、その生まれる子が自分のものとならないのを知っていたので、兄に子孫を与えないために、兄嫁のところに入ると、地に流していた。
38:10 彼のしたことは【主】を怒らせたので、主は彼をも殺した。

結婚を間違えれば、その結果として必ず困難や苦痛や様々な悪事が生じるものです。ユダの子、エル、オナン、シェラの三人は母方のカナン人の感化によって、みな悪い人になりました。
長子エルは主を怒らせる罪を行ない(7節)、次男オナンは兄に子孫を残すまいとして兄嫁の妊娠を避けたのです。彼の名前オナンからオナニズムが言われるようになりました。
これらの子どもたちの罪の責任はユダにもありました。ユダは自分の結婚について、神にも祈らず、ただ自分の考えによったのです。それ故に、嫁タマルの身の落ち着き所についても、ユダは責任を負わねばならなくなったのです。
このようにして、弟ヨセフをエジプトに売るように提案したユダは、今、自分の子どもを失うことによって、自ら蒔いた種を刈り取らされたのです。

2.ユダとその不道徳(11~23節)

(a) シェラに対するユダの心配(11節)

創 38:11 そこでユダは、嫁のタマルに、「わが子シェラが成人するまで、あなたの父の家でやもめのままでいなさい」と言った。それはシェラもまた、兄たちのように死ぬといけないと思ったからである。タマルは父の家に行き、そこに住むようになった。

ユダが嫁タマルをシェラと結婚させなかったのは、シェラが兄たちと同じように死ぬのを恐れたからです。なぜならユダは、息子たちが死んだのは、タマルに原因があるからではないかと疑っていたからです。しかしタマルに向かっては、「シェラはまだ年が若すぎる」という理由で結婚を拒んでいました。

(b) 妻の死によって慰めを得ようとしていたユダ(12~14節)

創 38:12 かなり日がたって、シュアの娘であったユダの妻が死んだ。その喪が明けたとき、ユダは、羊の群れの毛を切るために、その友人でアドラム人のヒラといっしょに、ティムナへ上って行った。
38:13 そのとき、タマルに、「ご覧。あなたのしゅうとが羊の毛を切るためにティムナに上って来ていますよ」と告げる者があった。
38:14 それでタマルは、やもめの服を脱ぎ、ベールをかぶり、着替えをして、ティムナへの道にあるエナイムの入口にすわっていた。それはシェラが成人したのに、自分がその妻にされないのを知っていたからである。

タマルは自分がシェラの妻にされないのを見て、ユダに欺かれたと知り、怒りました。そしてなんとかして自分の身を立てたいと考えて、遊女の服装をしてユダを誘ったのです。

(c) ユダの淫慾(15~19節)

創 38:15 ユダは、彼女を見たとき、彼女が顔をおおっていたので遊女だと思い、
38:16 道ばたの彼女のところに行き、「さあ、あなたのところに入ろう」と言った。彼はその女が自分の嫁だとは知らなかったからである。彼女は、「私のところにお入りになれば、何を私に下さいますか」と言った。
38:17 彼が、「群れの中から子やぎを送ろう」と言うと、彼女は、「それを送ってくださるまで、何かおしるしを下されば」と言った。
38:18 それで彼が、「しるしとして何をあげようか」と言うと、「あなたの印形とひもと、あなたが手にしている杖」と答えた。そこで彼はそれを与えて、彼女のところに入った。こうしてタマルは彼によってみごもった。
38:19 彼女は立ち去って、そのベールをはずし、またやもめの服を着た。

タマルが遊女の姿をしてしゅうとを誘うことは、はなはだしい罪であるけれども、もともとカナン人の道徳観念は低く、嫁がしゅうとと結婚することはよくあったことです。エジプトでは王位の血筋を続けるために兄と妹の結婚さえ行なわれていました。そういう風俗の間に育ったタマルですから、自分のすることが大きな罪だとは思わなかったでしょう。それとともに、二人の夫の死が自分のためであると疑いをかけられていたので、そうでないことを証明したいという思いで、この手段に出たものと思われます。タマルのこの行動は、ユダが自分の淫慾のために誘惑に陥ったのとは異なります。これはタマルの罪であるとともに、それ以上にユダの罪ということができます。

(d) ユダの恥辱(20~23節)

創 38:20 ユダは、彼女の手からしるしを取り戻そうと、アドラム人の友人に託して、子やぎを送ったが、彼はその女を見つけることができなかった。
38:21 その友人は、そこの人々に尋ねて、「エナイムの道ばたにいた遊女はどこにいますか」と言うと、彼らは、「ここには遊女はいたことがない」と答えた。
38:22 それで彼はユダのところに帰って来て言った。「あの女は見つかりませんでした。あそこの人たちも、ここには遊女はいたことがない、と言いました。」
38:23 ユダは言った。「われわれが笑いぐさにならないために、あの女にそのまま取らせておこう。私はこのとおり、この子やぎを送ったのに、あなたがあの女を見つけなかったのだから。」

ユダは自分が関係した遊女と思われる女に印形とひもと杖をしるしに与え、後に子やぎを送ってそれを取り返そうとしましたが、その遊女を見つけることができませんでした。

23節では、ユダは自分が物笑いにされないために罪を隠そうとしましたが、罪は隠すことができません。
「自分のそむきの罪を隠す者は成功しない。それを告白して、それを捨てる者はあわれみを受ける。」(箴言28:13)

3.ユダとメシヤの父祖(24~30節)

(a) タマルの妊娠とユダの正義感(24節)

創 38:24 約三か月して、ユダに、「あなたの嫁のタマルが売春をし、そのうえ、お聞きください、その売春によってみごもっているのです」と告げる者があった。そこでユダは言った。「あの女を引き出して、焼き殺せ。」

ユダは三ケ月ばかりして、タマルが妊娠していることを聞きました。彼は「あの女を引き出して、焼き殺せ。」と言いました。当時、女が遊女のようなことをすれば、その女の額に「遊女」の文字の焼印を押して生涯消えないようにする刑罰がありました。ユダはタマルにもそのような刑罰を加えることを言ったのかもしれません。

(b) タマルの弁明とユダの恥(25~27節)

創 38:25 彼女が引き出されたとき、彼女はしゅうとのところに使いをやり、「これらの品々の持ち主によって、私はみごもったのです」と言わせた。そしてまた彼女は言った。「これらの印形とひもと杖とが、だれのものかをお調べください。」
38:26 ユダはこれを見定めて言った。「あの女は私よりも正しい。私が彼女にわが子シェラを与えなかったことによるものだ。」それで彼は再び彼女を知ろうとはしなかった。
38:27 彼女の出産の時になると、なんと、ふたごがその胎内にいた。

その時、タマルはユダの印形とひもと杖を出して、自分がみごもったのはこの人によると言ったので、ユダはそれが自分の罪によると知って、自ら恥じ、彼の罪が明らかにされたのです。

(c) タマルの子ペレツ(28~30節、参考 歴代誌第一2:3,4、マタイ1:3)

創 38:28 出産のとき、一つの手が出て来たので、助産婦はそれをつかみ、その手に真っ赤な糸を結びつけて言った。「この子が最初に出て来たのです。」
38:29 しかし、その子が手を引っ込めたとき、もうひとりの兄弟のほうが出て来た。それで彼女は、「あなたは何であなたのために割りこむのです」と言った。それでその名はペレツと呼ばれた。
38:30 そのあとで、真っ赤な糸をつけたもうひとりの兄弟が出て来た。それでその名はゼラフと呼ばれた。

Ⅰ歴代 2:3 ユダの子は、エル、オナン、シェラ。この三人は、カナンの女シュアの娘から彼に生まれた。しかし、ユダの長子エルは【主】の目の前に悪を行ったため、主が彼を殺された。
2:4 彼の嫁タマルは彼にペレツとゼラフとを産んだ。ユダの子は全部で五人。

マタ1:3 ユダに、タマルによってパレスとザラが生まれ、パレスにエスロンが生まれ、エスロンにアラムが生まれ、

ペレツとゼラフはふたごでした。ペレツの名前の意味は「割りこむ」で、ヤコブとエサウの関係を思い出させます。
ユダの系図はユダの第三子シェラが継ぐはずであったのに、その権利が不道徳の罪によって生まれたペレツに与えられました。これによってタマルの行為は弁明され、ユダは永久にその恥辱を負い、そのためにルベンから移ってきた長子の権利を失い、その長子の権利は試練に打ち勝ち、潔きを保ったヨセフに与えられました。しかし、このような不潔な罪の結果から生まれたペレツの子孫として主イエスがお生まれになったことは、罪人に対する神の驚くべき恩寵を示しています。それ故に、私たちは救われたのです。
(1986.11.1)
(以上、創世記38章、聖書箇所は【新改訳改訂第3版】を引用しました。)

上の写真は、フランスの画家 James Tissot (1836-1902)が1896~1902年の頃に描いた「The Meeting of Tamar and Judah(タマルとユダの出会い)」(アメリカ、ニューヨークのthe Jewish Museum蔵、Wikimedia Commonsより)

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