聖書の探求(124a) 民数記31章 ミデヤン人への主の報復
この章は、ミデヤン人への主の報復が記されています。
この時の主の報復は、ベオルの子預言者バラムの手引きによって起きた25章のミデヤン人の娘との不道徳な事件と、バアル・ペオルの偶像礼拝に対するものです。これに対する神のさばきは、すぐには下されませんでしたが、しかし決して忘れられていたのではありません。
不信仰、不服従に対する神の審判は必ず下されました。これからも必ず下されます。カデシュ・バルネアでイスラエルの民は不信仰になり、泣きわめいて主に逆らいました。その時、すぐには一部の者たちにだけ神の審判が下りました。しかし主は他の不信仰になったほとんどの民を見逃されたのではありません。彼らは確実に三十八年間の荒野の放浪の旅をしている間に、滅ぼされてしまったのです。彼らは神の約束の地が約束されていながら、そこに入ることができなかったのです。このことを思う時、パウロが、ピリピのクリスチャンに、「恐れおののいて自分の救いを達成してください。」（ピリピ2:12）と勧告したことばが、心に響いてきます。
ピリ 2:12 そういうわけですから、愛する人たち、いつも従順であったように、私がいるときだけでなく、私のいない今はなおさら、恐れおののいて自分の救いの達成に努めなさい。
これまでも、主イエスの救いにあずかっていながら、その信仰を全うすることをせず、途中から滅びの道に陥ってしまった者がなんと多いことでしょうか。私は読者のすべての方が、「恐れおののいて、自分の救いを全うしてくださるように」心より切に願っています。
神の審判がすぐに下されないからといって、また遅れているからといって、神は審判を下されないのでも、忘れておられるのでもありません。ペテロは次のように警告しています。
「まず第一に、次のことを知っておきなさい。終わりの日に、あざける者どもがやって来てあざけり、自分たちの欲望に従って生活し、次のように言うでしょう。『キリストの来臨の約束はどこにあるのか。先祖たちが眠った時からこのかた、何事も創造の初めからのままではないか。』 こう言い張る彼らは、次のことを見落としています。すなわち、天は古い昔からあり、地は神のことばによって水から出て、水によって成ったのであって、当時の世界は、その水により、洪水におおわれて滅びました。しかし、今の天と地は、同じみことばによって、火に焼かれるためにとっておかれ、不敬虔な者どものさばきと滅びとの日まで、保たれているのです。しかし愛する人たち。あなたがたは、この一事を見落としてはいけません。すなわち、主の御前では、一日は千年のようであり、千年は一日のようです。主は、ある人たちがおそいと思っているように、その約束のことを遅らせておられるのではありません。かえって、あなたがたに対して忍耐深くあられるのであって、ひとりでも滅びることを望まず、すべての人が悔い改めに進むことを望んでおられるのです。しかし主の日は、盗人のようにやって来ます。その日には、天は大きな響きを立てて消えうせ、天の万象は焼けくずれて去り、地と地のいろいろなわざは焼き尽くされます。このように、これらのものはみな、くずれ落ちるものだとすれば、あなたがたは、どれほど聖い生き方をする敬虔な人でなければならないことでしょう。」（ペテロ第二3:3～11）
神の審判は、遅かれ早かれ、必ず下ることを、私たちは知っておかなければなりません。ミデヤン人をこのまま放置しておけば、必ず再びイスラエルは堕落し、イスラエルが神をあかしできなくなってしまう危険がありました。主は、疫病や天災でミデヤン人を滅ぼすこともできたでしょうが、罪に負けた者は、自らの信仰により、神のご命令に従うことによって敵に勝つ経験をする必要があります。
それで主は、イスラエルにミデヤン人と戦うことを命じられました。
民 31:1 【主】はモーセに告げて仰せられた。
31:2 「ミデヤン人にイスラエル人の仇を報いよ。その後あなたは、あなたの民に加えられる。」
31:3 そこでモーセは民に告げて言った。「あなたがたのうち、男たちは、いくさのために武装しなさい。ミデヤン人を襲って、ミデヤン人に【主】の復讐をするためである。
このような戦いは、新約聖書においては、霊的な戦いにおいてのみ命じられていますので、こういうことを根拠にして、特定の民族を撲滅するための戦争は、今は許可されていません。私たちは信仰をもってサタンと戦い、勝利を経験する必要があります。また主は、私たちが敗北している課題に対しては、私たちが勝利を得るまで、何度でも直面させられます。私たちはその課題を避けて通ることはできないのです。
4～5節では、イスラエルの軍隊は各部族から千人ずつ選ばれ、総勢一方二千人が戦いのために武装しました。そして6節で、この戦いにピネハスが加えられ、彼は聖具とラッパを持って行きました。
民 31:4 イスラエルのすべての部族から、一部族ごとに千人ずつをいくさに送らなければならない。」
31:5 それで、イスラエルの分団から部族ごとに千人が割り当てられ、一万二千人がいくさのために武装された。
31:6 モーセは部族ごとに千人ずつをいくさに送った。祭司エルアザルの子ピネハスを、聖具と吹き鳴らすラッパをその手に持たせて、彼らとともにいくさに送った。
これはこの戦いが、主の戦いであったからです。私たちはどんな課題に直面する時も、それが主のご命令によるものであるなら、主の戦いであることを自覚して、自ら聖なる器となり、勝利の信仰を持って戦いを進めなければなりません。
「あなたがたはこのおびただしい大軍のゆえに恐れてはならない。気落ちしてはならない。この戦いはあなたがたの戦いではなく、神の戦いであるから。‥‥‥この戦いではあなたがたが戦うのではない。しっかり立って動かずにいよ。あなたがたとともにいる主の救いを見よ。ユダおよびエルサレムよ。恐れてはならない。気落ちしてはならない。あす、彼らに向かって出陣せよ。主はあなたがたとともにいる。」（歴代誌第二20:15,17）
「ですから、だれでも自分自身をきよめて、これらのことを離れるなら、その人は尊いことに使われる器となります。すなわち、聖められたもの、主人にとって有益なもの、あらゆる良いわざに間に合うものとなるのです」（テモテ第二2:21）
神の器となるためには、才能よりも潔められていることのほうが大切なのです。
7節では、ミデヤン人の男子をすべて殺しており、8節では五人のミデヤンの王たちを殺しているので、この戦いは激しかったものと思われます。
民 31:7 彼らは【主】がモーセに命じられたとおりに、ミデヤン人と戦って、その男子をすべて殺した。
31:8 彼らはその殺した者たちのほかに、ミデヤンの王たち、エビ、レケム、ツル、フル、レバの五人のミデヤンの王たちを殺した。彼らはベオルの子バラムを剣で殺した。
しかし49節を見ると、イスラエルの側の軍隊には、一人も欠けた者がいませんでした。
民 31:49 モーセに言った。「しもべどもは、部下の戦士たちの人員点呼をしました。私たちのうちひとりも欠けておりません。
それは、この戦いが神の戦いであったからです。
「あなたがたはこのおびただしい大軍のゆえに恐れてはならない。気落ちしてはならない。この戦いはあなたがたの戦いではなく、神の戦いであるから。‥‥‥この戦いではあなたがたが戦うのではない。しっかり立って動かずにいよ。あなたがたとともにいる主の救いを見よ。ユダおよびエルサレムよ。恐れてはならない。気落ちしてはならない。あす、彼らに向かって出陣せよ。主はあなたがたとともにいる。」（歴代誌第二20:15,17）
私はこの二十年間、徒手空拳、主に仕えてきました。私には地位も身分も財産もなかったのに、なぜ今まで続けることができたのかというなら、それはひとえに主の戦いであったからということに尽きます。小さい失敗は数多くありましたが、一度も大きな敗北を経験したことがありません。すべての山、すべての課題を勝利のうちに乗り越えてくることができました。そしてこれから更に大きな幻に向かって戦いを進めようとしています。それも主の戦いですから、私が自分の戦いとしなければ、必ず勝利が得られると確信しています。自分の生涯が一変するような戦いに出て行こうとする時、だれしも不安や恐れを覚えるものです。しかしそれが主の戦いであることがはっきりしているなら、恐れることはありません。敗北する者は一人もいない。必ず勝利が得られます。私はこの教会を創設する時、全く孤独の中に置かれました。しかし主は私を孤児にはされませんでした（ヨハネ14:18）。主の戦いをする者は、いつも孤独です。モーセは多くの民の呟きや不服従の中で、また兄アロンが金の子牛を造った事件の中で、ひどく孤独でした。ヨシュアはエリコの城壁のほとりで孤独でした。だれもその孤独を理解してくれる者はいません。しかしモーセはその孤独をもって、神の山に登って行ったのです。主の軍の将は、ひとり孤独にたたずんでいるヨシュアの所に現われてくださったのです。そして勝利は続いたのです。
主の戦いをする者は孤独を恐れてはいけません。まわりを見まわして、だれか自分を助けてくれる人間を見つけようとしてはいけません。主はひとりたたずんでいる孤独なあなたに現われてくださるのです。ですからただ主だけを見上げて、孤独になることを恐れてはいけません。
8節を見ると、ミデヤン人の中にべオルの子バラムの名前が見られます。
民 31:8 彼らはその殺した者たちのほかに、ミデヤンの王たち、エビ、レケム、ツル、フル、レバの五人のミデヤンの王たちを殺した。彼らはベオルの子バラムを剣で殺した。
彼は神の御声を聞くことができる範囲内にいながら、神とだけ孤独にいることができず、モアブの王バラクの誘いに乗り、やがて神の民に罪を犯させることに組みし、ミデヤンの地に居住して、彼らの仲間になっていたのです。私たちは神の摂理以外の方法によって、自分の助け手や仲間を求めようとするなら、必ず、罪の中に巻き込まれて行ってしまいます。神の道からはずれて行くのです。それは自己中心の肉的動機が働いているからです。
9～12節では、イスラエル人は大勝利をもって、モーセとエルアザルと会衆のもとに帰ってきましたが、13～16節では、モーセは軍の指揮者たちに怒りを発しました。
民 31:9 イスラエル人はミデヤン人の女、子どもをとりこにし、またその獣や、家畜や、その財産をことごとく奪い取り、
31:10 彼らの住んでいた町々や陣営を全部火で焼いた。
31:11 そして人も獣も、略奪したものや分捕ったものをすべて取り、
31:12 捕虜や分捕ったもの、略奪したものを携えて、エリコに近いヨルダンのほとりのモアブの草原の宿営にいるモーセと祭司エルアザルとイスラエル人の会衆のところに来た。
民 31:13 モーセと祭司エルアザルおよびすべての会衆の上に立つ者たちは出て行って宿営の外で彼らを迎えた。
31:14 モーセは軍勢の指揮官たち、すなわち戦いの任務から帰って来た千人の長や百人の長たちに対して怒った。
31:15 モーセは彼らに言った。「あなたがたは、女たちをみな、生かしておいたのか。
31:16 ああ、この女たちはバラムの事件のおり、ペオルの事件に関連してイスラエル人をそそのかして、【主】に対する不実を行わせた。それで神罰が【主】の会衆の上に下ったのだ。
なぜなら、先の罪に直接関わっていたミデヤンの女たちを生かして連れて来たからです。これでは、表面上のミデヤン人との戦いには勝っても、罪が完全に取り除かれていなければ、真の勝利は得られていないことになります。モーセが、そんな表面的な勝利だけで喜ぶはずがありません。
あなたは、家を建てたり、車を買ったり、旅行に行ったりする表面的なことで喜んでいないでしょうか。それとも罪が全く取り除かれ、毎日、霊的勝利の生活を送ることができることに、心からの喜びを感じているでしょうか。もし、罪が解決されないまま、経済状態がよくなったり、仕事がうまくいくようになったことだけで喜んでいるなら、それは絶望的破滅に陥る危険に直面しているのです。モーセが怒ったのも、無理からぬことです。またモーセは外側の表面的勝利の雰囲気に惑わされないで、罪が根本的に解決されていないことを見抜く霊的洞察力を持っていたことを示しています。
私たちもそのような霊的洞察力をぜひ、持ちたいものです。軍の指揮官たちは、神が罪をそのまま受け入れられないお方であることを知っているべきでした。そして正しい処置を取るべきでした。今日、牧師や教師たちは罪を取り除くための霊的洞察力を鋭くしておく必要があります。今日、教会の中にネタミや高慢や争いの罪が温存されています。この罪が取り除かれるまで、主は大いなる祝福を与えられません。
モーセは厳しく、先の罪の事件に関わっていた女と子どもの中の男の子を殺させました。罪に対しては、憐みをかけてはなりません。小さい罪でも、それが必ず命取りになります。しかし女に対する刑罰は、罪に関わった者だけに限られています（17節）。
民 31:17 今、子どものうち男の子をみな殺せ。男と寝て、男を知っている女もみな殺せ。
31:18 男と寝ることを知らない若い娘たちはみな、あなたがたのために生かしておけ。
罪に関わらなかった者はみな、生かされています。このことの中に意味されている原理は、罪を徹底的に取り除く聖潔です。
この聖潔の原理が19節以後でも強調されています。
19節、まず、戦いに行って、人を殺し、刺し殺された者に触れた者はだれでも汚れているから、七日間宿営の外にとどまり、三日目と七日目に罪の身を潔めなければなりません。
民 31:19 あなたがたは七日間、宿営の外にとどまれ。あなたがたでも、あなたがたの捕虜でも、人を殺した者、あるいは刺し殺された者に触れた者はだれでも、三日目と七日目に罪の身をきよめなければならない。
クリスチャンは毎日、この世という戦場にあって戦い、霊魂が汚れる危険があるので、毎日、主イエスの血とみことばと聖霊によって潔められることが必要です。このことなしに毎日勝利の生活をすることはできません。
また分捕品も潔めなければなりません。
20節は、火に耐えられない衣服、皮製品、やぎの毛で作ったもの、木製品は、汚れを潔める水で潔めなければなりません。
民 31:20 衣服、皮製品、やぎの毛で作ったもの、木製品はすべてきよめなければならない。」
22節の火に耐えられる金、銀、青銅、鉄、すず、鉛は、火の中を通して潔めます。
民 31:21 祭司エルアザルは戦いに行った軍人たちに言った。「【主】がモーセに命じられたおしえのおきては次のとおりである。
31:22 金、銀、青銅、鉄、すず、鉛、
31:23 すべて火に耐えるものは、火の中を通し、きよくしなければならない。しかし、それは汚れをきよめる水できよめられなければならない。火に耐えないものはみな、水の中を通さなければならない。
31:24 あなたがたは七日目に自分の衣服を洗うなら、きよくなる。その後、宿営に入ることができる。」
こういう実物訓練を通して、神はイスラエルにとっては異教のものを徹底的に潔めることを教えました。このことは最も重要なことであり、ただ律法として教えられただけでなく、実際に実行することによって身につけさせられたのです。
今日、クリスチャンたちは、教会で話を聞くだけ、聖書を読むだけ、教えられるだけで、実際に実地訓練が行われていないために、信仰が死んだ状態にあり、大いなる実りがないのです。さらに、キリスト教が異教とさほど区別がつかなくなり、あいまいになってきていることは事実です。これは聖潔の実が鮮明でないからです。クリスチャンの内なる状態が、すなわち欲望や動機、価値観が、未信者の人々と同じ状態にあるのです。これは今日のキリスト教が、神の啓示の宗教ではなくなり、人から出た宗教に変わってきていることを示しています。これは最も危険なことです。私たちの内に霊的聖潔の経験をし、それを生活上における選択や行動の中で行っていかなければなりません。それによってキリスト教が異教とはっきり区別されることを示さなければならないのです。
25～47節は、分捕品の数とその分配について記しています。
民 31:25 【主】はモーセに次のように言われた。
31:26 「あなたと、祭司エルアザルおよび会衆の氏族のかしらたちは、人と家畜で捕虜として分捕ったものの数を調べ、
31:27 その分捕ったものをいくさに出て取って来た戦士たちと、全会衆との間に二分せよ。
31:28 いくさに出た戦士たちからは、人や牛やろばや羊を、それぞれ五百に対して一つ、【主】のためにみつぎとして徴収せよ。
31:29 彼らが受ける分のうちからこれを取って、【主】への奉納物として祭司エルアザルに渡さなければならない。
31:30 イスラエル人が受ける分のうちから、人や牛やろばや羊、これらすべての家畜を、それぞれ五十に対して一つ、取り出しておき、それらを【主】の幕屋の任務を果たすレビ人に与えなければならない。」
31:31 そこでモーセと祭司エルアザルは、【主】がモーセに命じられたとおりに行った。
31:32 従軍した民が奪った戦利品以外の分捕りものは、羊六十七万五千頭、
31:33 牛七万二千頭、
31:34 ろば六万一千頭、
31:35 人間は男と寝ることを知らない女がみなで三万二千人であった。
31:36 この半分がいくさに出た人々への分け前で、羊の数は三十三万七千五百頭。
31:37 その羊のうちから【主】へのみつぎは六百七十五頭。
31:38 牛は三万六千頭で、そのうちから【主】へのみつぎは七十二頭。
31:39 ろばは三万五百頭で、そのうちから【主】へのみつぎは六十一頭。
31:40 人間は一万六千人で、そのうちから【主】へのみつぎは三十二人であった。
31:41 モーセは、【主】がモーセに命じられたとおりに、そのみつぎ、すなわち、【主】への奉納物を祭司エルアザルに渡した。
31:42 モーセがいくさに出た者たちに折半して与えた残り、すなわち、イスラエル人のものである半分、
31:43 つまり会衆のものである半分は、羊三十三万七千五百頭、
31:44 牛三万六千頭、
31:45 ろば三万五百頭、
31:46 人間は一万六千人であった。
31:47 モーセは、このイスラエル人のものである半分から、人間も家畜も、それぞれ五十ごとに一つを取り出し、それらを【主】がモーセに命じられたとおりに、【主】の幕屋の任務を果たすレビ人に与えた。
分捕品は大きく二つに分けられ、半分を戦いに出た人々に、残りの半分をイスラエルの全会衆に、そして全会衆の分の五十分の一を主の幕屋の任務を果たすレビ人に与えられています。
この分配の仕方は実にすばらしい方法です。
通常、神を知らない者なら、そしてこのように教えられ、訓練されていない者なら、戦いに出て行った者が、分捕品の全部を所有する権利を主張するに違いありません。それは今日でも同じです。互いに分け合うという精神は神を信じる信仰によって養われないと育たないものです。力ある者だけが繁栄すると、貧富の差や権力者が生じ、ねたみや争い、支配などが生じてきます。民全体が祝福されることによって、平和は続くのです。さらに宗教的奉仕をするレビ人への分配も決して、忘れられていません。これはイスラエルが神の民であることを支える中心的な働きをする人々であるからです。レビ人が奉仕しなくなったら、イスラエルの存続はあり得なくなります。
今日、世界からキリスト教会が消えたら、人類は存続し得ないことを、あなたは悟っているでしょうか。クリスチャンですら、キリスト教会の存在の意義を十分に悟っていないのです。まして、真直に神のみことばを語る神の人の存在の重要さを悟る者は少ないので
す。人を恐れず、神だけを畏れる神の人を育てなければ、人類は滅びることを私は真剣に考え、祈っています。
48～54節で、千人の長、百人の長が、部下の兵士たちが一人も欠けなかったことのために、自発的にささげ物をささげた記事がうるわしく記されています。
民 31:48 すると、軍団の指揮官たち、すなわち千人の長、百人の長たちがモーセのもとに進み出て、
31:49 モーセに言った。「しもべどもは、部下の戦士たちの人員点呼をしました。私たちのうちひとりも欠けておりません。
31:50 それで、私たちは、おのおのが手に入れた金の飾り物、すなわち腕飾り、腕輪、指輪、耳輪、首飾りなどを【主】へのささげ物として持って来て、【主】の前での私たち自身の贖いとしたいのです。」
31:51 モーセと祭司エルアザルは、彼らから金を受け取った。それはあらゆる種類の細工を施した物であった。
31:52 千人の長や百人の長たちが、【主】に供えた奉納物の金は全部で、一万六千七百五十シェケルであった。
31:53 従軍した人たちは、戦利品をめいめい自分のものとした。
31:54 モーセと祭司エルアザルは、千人の長や百人の長たちから金を受け取り、それを会見の天幕に持って行き、【主】の前に、イスラエル人のための記念とした。
彼らがただ、義務的なささげ物をしただけでなく、心からの感謝のささげ物をしたのは、彼らの信仰が非常にうるわしいものであったことを示しています。こういう信仰者がいれば、神の群れは必ず祝されます。
私たちも、ただ真実であるだけでなく、うるわしい信仰を持ちたいものです。ギリギリ最低の義務を果たしているような信仰ではなく、うるわしさのあふれた信仰を持ちたいものです。
（まなべあきら 1994.7.1)
（聖書箇所は【新改訳改訂第３版】を引用。）
上の絵は、オランダのハーグで1728年にP. de Hondtによって出版された「Figures de la Bible」のイラスト「The Oblation Out of the Spoils of the Midianites（ミデアン人からの分捕品のささげ物）」（Wikimedia Commonsより）
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