音声:使徒の働き(028)  何故驚嘆 3:9~12

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使徒の働き
3:9 人々はみな、彼が歩きながら、神を賛美しているのを見た。
3:10 そして、これが、施しを求めるために宮の「美しの門」にすわっていた男だとわかると、この人の身に起こったことに驚き、あきれた。
3:11 この人が、ペテロとヨハネにつきまとっている間に、非常に驚いた人々がみないっせいに、ソロモンの廊という回廊にいる彼らのところに、やって来た。
3:12 ペテロはこれを見て、人々に向かってこう言った。「イスラエル人たち。なぜこのことに驚いているのですか。なぜ、私たちが自分の力とか信仰深さとかによって彼を歩かせたかのように、私たちを見つめるのですか。【新改訳改訂第3版】

(たけさんの一口まとめ)
足の不自由だった男が歩けるようになり、神を賛美しているのを見て、人々は、何故、驚嘆したのでしょうか?
三つの動詞に注目してみましょう。

1.「見た」(3:9)
歩けるようになった男は、踊ったり跳ねたりして大声で讃美していました。それを、誰もやめさせることはできませんでした。まさに、ルカ19:40にある「石が叫ぶ」状態でした。
讃美するはずのない人が讃美している。これが神のみわざです。人々はこの様子を見ました。

2.「驚きあきれた」(3.10)
人々は、異様な姿で踊る男を見て驚きあきれました。40年間歩いたことのない男が歩いているだけでも驚きですが、この男には神のいのちが吹き込まれました。しかし、神のみわざを経験していない人々には何が起きたか理解できず怪しむばかりでした。

3.「皆いっせいにやってきた」(3.11)
この男は、ペテロとヨハネに付きまとっていました。誰と一緒にいるのが一番良いかが分かったのです。本当にイエス・キリストを心に宿している人、イエス・キリストを求めている人と一緒に祈ることが一番良い事だと分かったのです。
これを見た人々は、興味と感心を持って集まってきたので、ペテロが2回目の説教をする機会ができました。すぐ横に実際の証人が立っているので、ペテロの説教は効果倍増、人々が救われる確率は非常に高くなりました。

このような場合に一つの危険があります。
この世の人々は、神のみわざを見ても表面的な事しか分からないので、ペテロと言う人間が特別な神通力を持っていると思いやすいのです。
それに気が付いたペテロは、説教の中で、人々の驚きの視線を打ち消しました。(3:12)

この世の人は、一人でも多くを自分に引き付けようとしますが、ペテロは逆に人々の視線を自分からそらせようとしました。ペテロは人々の心がイエス・キリストに向かうように、はっきりと否定したのです。
ペテロは、徹底的な謙遜な態度で、神に栄光を帰しました。それによって、彼の心には聖霊によりさらに深い泉が掘られ、いつでも永遠の水が湧き出る泉を持つようになりました。
まさに、ルカ17:10で「役に立たないしもべです。なすべきことをしただけです。」と言ったしもべの姿です。
私たちも、毎日の生活の中で、何か素晴らしい事をして、実際に役に立って、誇りたいと思う時があっても、「役に立たないしもべです。なすべきことをしただけです。」と言いましょう。
神様は、へりくだるものに永遠のいのちを与えてくださいます。

写真は、フランスの画家Nicolas Poussin (1594–1665) が1655年に描いた「Saints Peter and John Healing the Lame Man(足の不自由な男を癒すペテロとヨハネ)」(Metropolitan Museum of Art蔵)