音声:使徒の働き(148) 苦難の航海 27:9~19 ローマへの船旅
使徒の働き 27:9~19
27:9 かなりの日数が経過しており、断食の季節もすでに過ぎていたため、もう航海は危険であったので、パウロは人々に注意して、
27:10 「皆さん。この航海では、きっと、積荷や船体だけではなく、私たちの生命にも、危害と大きな損失が及ぶと、私は考えます」と言った。
27:11 しかし百人隊長は、パウロのことばよりも、航海士や船長のほうを信用した。
27:12 また、この港が冬を過ごすのに適していなかったので、大多数の者の意見は、ここを出帆して、できれば何とかして、南西と北西とに面しているクレテの港ピニクスまで行って、そこで冬を過ごしたいということになった。
27:13 おりから、穏やかな南風が吹いて来ると、人々はこの時とばかり錨を上げて、クレテの海岸に沿って航行した。
27:14 ところが、まもなくユーラクロンという暴風が陸から吹きおろして来て、
27:15 船はそれに巻き込まれ、風に逆らって進むことができないので、しかたなく吹き流されるままにした。
27:16 しかしクラウダという小さな島の陰に入ったので、ようやくのことで小舟を処置することができた。
27:17 小舟を船に引き上げ、備え綱で船体を巻いた。また、スルテスの浅瀬に乗り上げるのを恐れて、船具をはずして流れるに任せた。
27:18 私たちは暴風に激しく翻弄されていたので、翌日、人々は積荷を捨て始め、
27:19 三日目には、自分の手で船具までも投げ捨てた。【新改訳改訂第3版】
上の写真は、オランダの海洋画家Willem van de Velde the Younger (1633–1707) により1680年頃に描かれた「A Ship on the High Seas Caught by a Squall(突風に見舞われ、高波に襲われる船)」(オランダのアムステルダム国立美術館蔵、Wikimedia commons より)