音声:使徒の働き(013) 似非知恵 1:21~26

左側の三角印をクリックするとメッセージが始まります。

(使徒の働き 1:21~26)
1:21 ですから、主イエスが私たちといっしょに生活された間、
1:22 すなわち、ヨハネのバプテスマから始まって、私たちを離れて天に上げられた日までの間、いつも私たちと行動をともにした者の中から、だれかひとりが、私たちとともにイエスの復活の証人とならなければなりません。」
1:23 そこで、彼らは、バルサバと呼ばれ別名をユストというヨセフと、マッテヤとのふたりを立てた。
1:24 そして、こう祈った。「すべての人の心を知っておられる主よ。
1:25 この務めと使徒職の地位を継がせるために、このふたりのうちのどちらをお選びになるか、お示しください。ユダは自分のところへ行くために脱落して行きましたから。」
1:26 そしてふたりのためにくじを引くと、くじはマッテヤに当たったので、彼は十一人の使徒たちに加えられた。
【新改訳改訂第3版】

(たけさんの一口まとめ)
知恵には、3種類あります。神の知恵、人の知恵、サタンの知恵です。
ペテロは、聖霊を受ける前は、この区別ができませんでした。ある時は、「あなたは幸いです」とほめられ、ある時は、「下がれサタン」とイエス様から叱責されました。
ペテロは、脱落したユダの代わりを選ぶのは神のみこころだと思い、一つの提案をしました。ペテロ自身も、この時、神様に導かれていると思ったに違いありません。しかし、これは、ペテロ自身の知恵であることが分かります。
ペテロはまず、使徒職に就く者の条件を3つ出しました。
1. ヨハネのバプテスマを受けた者
2. 主イエスが生きていた時に一緒に行動した者
3. イエスの復活の時も一緒にいた者
ペテロは、責任感を持って、良い動機で、これらの条件をまとめあげ、道理にかなっているように見えたので、誰も反対しませんでした。
しかし、この条件が独り歩きしたため、後になって神様から選ばれた使徒であるパウロは、何度も論証しなければなりませんでした。
ペテロが提示した条件は、どれもイエス様が地上にいた時に一緒にいたものに限られ、思い出深い人情感あふれるものでした。思い出は特権意識になりやすく、イエスの証人としての十分な条件とは言えません。むしろ、イエス様の復活後にイエス様を経験することの方が、ずっと重要です。
ペテロの提案は、神の知恵から出たように見えても、彼自身の知恵から出たものでした。
120人の中から二人が選ばれ、くじがひかれてマッテヤが当たりましたが、神様は、彼らを選びませんでした。神様は、ご自分で、ご自分の器を選ばれます。

人の知恵の特徴は、
1. 確信に満ちているように見えるが、一人合点。
2. 強い責任感があるように見えるが、最後まで果たしていくことがない。
3. 自分のしたいことを神の知恵と勘違いしているので柔軟性がない。
4. 熱心と怠惰が混在し、思慮深さがないので、失敗すると落胆する。

人の知恵は、この世の知恵と妥協し、振り回され、神の栄光を現わしません。
ペテロの知恵は、神の知恵に似ていましたが、間違っていました。
ペテロは何度も迷って失敗しましたが、聖霊を受けてからは、神様のあわれみにより神の道に戻りました。使徒6章では、ペテロたちは、くじではなく、御霊と知恵に満ちた7人を選んでいます。
神の知恵は、失敗に見えても、あきらめずに勝利に導きます。
私たちも、神の知恵と人の知恵との区別ができ、神の知恵を選び取って、義の実を結ぶものとならせて頂きたいと思います。

写真は、スペインの画家El Greco (1541–1614)が描いた「The Tears of Saint Peter(ペテロの涙)」(Wikimedia Commonsより)