書籍紹介 「妻の役目」

まなべあきら著 B6 213頁

宗教色のない信仰的家庭を作る為の本です。教会の婦人会のテキストにも用いられています。結婚される方へのプレゼントにも用いられてきました。(在庫少)

目次

第1章 夫と共に目標を立てなさい。
1、二人で人生の目標をさがしなさい。
2、一つの目標を乗り越えてから、次の目標へ進みなさい。
3、夫が仕事に打ち込むためには
4、仕事に打ち込んでもらうための妻の助言

第2章 夫を信じなさい。
5、夫の苦心を聞き出しなさい。
6、妻の役目
7、夫が失敗した時でも

第3章 夫のよき協力者になりなさい。
8、夫の手助けをしなさい。
9、夫に勉強してもらいなさい。
10、夫が突然の事態に陥ったら

第4章 夫の仕事に関して
11、夫が転勤を命じられたら
12、夫の仕事が忙しすぎる時
13、夫が家で仕事をする場合
14、妻が仕事をもっている時
15、夫と歩調を合わせない。

第5章 妻としてやめるべきこと
16、口うるさく言うのをやめなさい。
17、夫をノイローゼにしたくなければ、これだけはやめなさい。
18、夫に実力以上を要求してはいけません。
19、夫と共に戦いなさい。

第6章 やさしい妻とは
20、気だてのやさしい、思いやりのある妻になりなさい。
21、気が合った夫婦
22、夫の趣味を尊重しなさい。
23、妻も家庭以外に生甲斐を見い出せるものを持つべきです。

第7章 楽しい家庭建設
24、家庭の主婦としてのプライドを持ちなさい
25、楽しいわが家をつくりなさい
26、一日二十四時間を有効に使いなさい
27、手を抜くことを考えなさい

第8章 夫を生かしなさい。
28、夫を立てなさい

第9章 夫の健康と財産管理
29、夫の収入の範囲内で生活しなさい
30、夫の健康管理

第10章 妻として出来る最大のこと
31、夫に愛情を示しなさい
32、夫を救いに導くために

以下、一部抜粋


はじめに

結婚をしたら、必ず家庭を幸福にしたいでしょう。みな、そう思って結婚するのです。しかし多くの家庭が破滅に陥り、離婚する夫婦が急激にふえているのが現実です。こんなことになるその原因はといえば、ごくささいな意見の違いや、不用意な言葉やすぐに直すことのできる冷たい態度であることが少なくありません。
勿論、このような原因は、夫と妻の両方に責任があります。しかしここで責任の追求をするよりも、どうしたら健全な家庭建設ができるかを考えるほうが賢明ではないでしょうか。そこで私は家庭をあずかる主婦の立場から、結婚生活と家庭生活を夫と共に建設していくための基本原理のようなものをまとめて書いてみました。勿論、ここに書かれてあることだけでは十分でありませんし、ここにあてはまらないろくでなしの夫もいるでしょうから、そのような場合は、個々に専門家の指導を受けなければなりません。しかし一般的な場合には、この本は少なからず役に立つものと信じています。
また夫の立場から同じテーマを考えますならば、この本のように努力している妻にどのような態度をとればよいかを考えればよいわけです。 とにかく、結婚と家庭生活を成功させる秘訣は、どんな時にも夫婦が愛をもって協力し合うことです。だれでもしあわせな結婚生活を送りたいでしょう。しかし願っているだけでは駄目です。まずあなたから実際に努力してください。

一九八二年 三月一六日
著者  まなべ あきら

第1章 夫と共に目標を立てなさい。

一、二人で人生の目標をさがしなさい

「キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走っているのです。」ビリピ人への手紙3章14節
現代人の最も困ることは、勉強したくないのに大学にはいり、一生懸命働きたくないのにふらふらと就職し、真剣に結婚生活を考えていないのにふらりと結婚して、なんとなく無意味に人生を浪費していることです。自分が何をやりたいのか、はっきりした願望も目的も持っていないのです。このような状態ですばらしい幸福な人生を送れるはずがありません。
だれでも人生には度重なる多くの失敗や挫折があります。しかしそれでも困難を乗り越えて勝利を獲得するのは、はっきりとした自分の進むべき目標を持っている人だけです。
ある人は、自分が真面目であることに安心しているかもしれません。また自分の仕事熱心さに期待しているかもしれません。、あるいは学歴や能力に信頼しているかもしれません。しかしそれらがあなたを確実にしあわせにしてくれるという保証は、どこにもないのです。前途有望な青年が、事故や病気や倒産に出合ったりすることだってこれまでにしばしばあったのです。これから先にも数多くあることでしょう。
しかしたとい、思いがけない事故があったとしても堅固な人生の目標を持っているならば、それを乗り越えることができるのです。人生の目標を持っていないことは、半死半生の事故に会う以上にわざわいなことです。目標を持っていないということは、その人が成功しないという最大の原因です。早くより自分の人生の目標を持つことは、人生を最も有意義に過ごす秘訣です。
ところが現代人は、いったい自分が何をしたらいいのか、全くわからないでいるのです。
そこで、妻がしなければならない仕事は、第一に自分の夫に、人生の目的を考えてもらうようにすることです。いったいあなたの夫は、一生涯をとおして何をしたいのか、そこから何を得たいのか、このことを十分に考えてもらわねばなりません。これなくしてあなたがた夫妻は、しあわせになることができないのです。
このことをもっと具体的に考えてみましょう。夫は今の仕事で本当に満足しているでしょうか。彼の能力を十分に発揮できているでしょうか。夫はほかに何か尊い価値ある仕事をしたいと望んでいないでしょうか。夫に適している任事はどんな仕事でしょぅか。これらのことをじっくりと考え直してみてください。これによってあなたがた夫妻の目標がはっきりしましたならば、財産が何一つなくても大丈夫です。二人にどんな困難な仕事でもやり抜く意欲さえあれば、それで十分です。私たち夫婦は教会の奉仕をさせて頂いていますから世の中にいう成功というものを目標にしていませんが、それでも二人で祈り、力を合わせてきた結果、今日祝福を受けつつあります。開拓伝道から開拓伝道へと進んできましたから台所のほうは火の車の連続であったと思いますが、はっきりした目標をもって進んできましたから今日まで来ることができたのです。
矢を射る時に、ねらいをつけないで射るのと、ねらいをつけて射るのとでは、どちらが標的の近くに届くでしょうか。ねらいをつけて射るならば、たとい標的に命中しなくても、目を閉じて射た時よりは標的の近くに当たるでしょう。人生の目標に向かって計画を立て、それを実行していく人は少なくとも目標近くに到達することはできるのです。
しかし、これは夫婦が同じ目標に向かっている時にのみ言えることです。夫と妻が別々の目標を持って生活しているとするなら、それはしばしば互いの足を引っばるようになり、自分勝手に反対の方向に歩き出してしまうようになるのです。
夫を助けるための第一歩は、まず夫に人生の目標を持ってもらうことです。そして妻はその目標を十分に理解して、協力を惜しまないことです。人生の目標を知っているだけではいけません。具体的に夫婦が歩調を合わせて歩き出すことが大切です。聖書は夫婦が一体であることを宣言していますが、多くの夫婦の歩調は合っていません。互いに反対方向を向いていたり、どちらかが先に行って、片方が取り残されているといった具合です。これでは結婚生活を成功させることは不可能です。夫婦はいつまでも差し向かいで坐っていてはいけないのです。同じ方向に向かって歩き出さなければなりません。
もしあなたがた夫妻が更に向上した人生を送りたいと思うのなら夫婦で共に人生の目標を決めなければなりません。

以上、一部抜粋