第1章 一粒の麦 (主をわが前に置いた生活)

主イエス様は、「空の鳥を見よ。」とか、「野のゆり、野の草を見よ。」と、仰せられました。ぶどうの木、一粒の麦、一羽の雀が地に落ちるお話、夕焼けの赤く染めた空など、多くの自然界から、父なる神様のみこころを悟るように、お教えくださいました。

復活が確かなことは、「一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、それは一つのままです。しかし、もし死ねば、豊かな実を結びます。」(ヨハネ12:24)のみことばで明らかになりました。

これは、自分中心の自我に死ぬことを教えておられますが、そこにも復活の真理が働いていることを、お教えくださいました。

私たちは、神様の原理が、自然界の中に無数に啓示されているのに、美しさに見とれているだけで、その美しさを通して自分に語りかけてくださっている神様の御声を聞いていないのではないでしょうか。イチョウや、もみじの美しさの中に、木々の新緑や、草花の美しさの中に、空の雲や、虹の美しさに、ただ感動しているだけでなく、その美しさの中に、神様のみわざを発見して、主をほめたたえようではありませんか。

一粒の麦が地に落ちれば、その物質的な姿は消えて、死んだかに見えます。しかし、間もなく、全く別の新しい姿で、芽を吹き出し、やがて豊かな実を結ばせるのです。このようなことは、あなたも沢山、見て来られたことでしょう。そのように、私たちが日常に、沢山、見ていることの中に、神様の確かな復活の原理が示されているのです。

父なる神様は、あなたや私を愛してくださって、大切に思ってくださっています。ですから、御父は、イエス・キリストを信じる人を、間違いなく、復活させます。

「もしイエスを死者の中からよみがえらせた方の御霊が、あなたがたのうちに住んでおられるなら、キリスト・イエスを死者の中からよみがえらせた方は、あなたがたのうちに住んでおられる御霊によって、あなたがたの死ぬべきからだをも生かしてくださるのです。」(ローマ8:11)

どうぞ、自然界の現象を見るとき、その美しさに驚いているだけでなく、その中に主のみわざを発見し、その美しさの中から聞こえる主の御声に、耳を傾けてください。そうすれば、心は主をほめ歌うようになります。

花が開く時、花が散る時、枯れ葉が落ちる時、新芽が吹き出すのを見つけた時、神様のいのちの摂理を、親しみ味わってください。そうすれば、神様は、あなた自身の神様となり、あなたに対して注がれている神様の愛を心に実感します。これは、偉大な愛の経験です。私たちの教会の前を通って行く人が、「いつも、きれいな花が咲いていますね。」と言われますが、私は、その人たちの心に、神様の愛の御声が響くようにと祈っています。

目次
1.一粒の麦
2.愚かで、鈍感でも
3.愛
4.霊的生活の基礎
5.神様に近づく方法
6.祈りと生活
7.どうすれば、いつも神様の臨在を感じることができるようになれるのか
8.神様の臨在の実際性(前半)
8.神様の臨在の実際性(後半)
9.病気、苦しみの中で